カンナの口埋め
持論ですが、「カンナは台で切る」だと思っています。
研ぎは苦手意識があり、一生の私自身のテーマになると思っていますが(そもそも、フリーハンドであんなまっすぐに何故研げるのか、理解できない)、カンナは下端がきちんと調整できていないと、刃をいくら研いでも、いくら刃を出しても削れないものです。
かなり長時間木工を休んでいたこともあり、リハビリ期間は「ちょっと狂ってるんじゃないかな」と思いつつも目をつぶってカンナ使っていましたが、思い直して下端をちょっと調整してやるとやっぱりバリバリ削れるようになったので、ああやっぱり下端だよなあ、と。ということで、と言うか、ちょっとの調整でバリバリ切れるようになること自体が久しぶりにすごく嬉しくて、「よし、木工再開にあたって一度、十台くらいあるカンナをまずは全部一通り台直ししよう」、と思い立ちました。
そんな折、昔お会いしたこともあるOYA-Gさんのブログで、口が広がったカンナを口埋めして超仕上げレベルに回復、という記事を読み、これはスゴい、マネしよう、ということで、比較的口の開いた2台を口埋めしてみました。
ということで経過は省略していきなり完成写真。
目指せOYA-Gさんと意気込んだのですが、カンナ屑が詰まるのがイヤで、0.1~0.2mmとは追い込めず、だいたい0.5mmくらいと言ったところ。
台の方はトリマーで溝を掘り、ノミで四角く整形しました(あり溝にはしませんでした)。ホームセンターの端材コーナーでカシのブロックをストックしてあり、追柾で木目が平行になるように木取りして、あとは現物合わせで埋め込みました。少し頭が出るくらいにしておいて、後は接着してからネチネチ削って平坦にします。
改めて、台直しします。
工具の仕込みの師範と(勝手に)仰いでいる手柴師範のサイトを見て、台直しカンナもカスタマイズもやりました。
台直しの「カスタマイズ」はこちら。
大工道具の曼陀羅屋:立鉋の下端の角仕立て
あとは単身赴任宅で、平日の夜中に静かにボチボチやりました。
裏が切れた刃はきちんと裏出しもやって、ボチボチペースで1週間ほどかかりましたが、試しに削ってみたところ、かなり調子は回復しました!
残りのカンナは埋めるほど口は広がってはいないので、とりあえずこのまま台直しします(決して面倒くさくなったわけではありません…)。
…木工本格再開にはまだ遠いようです。
参考文献:
大工道具の曼陀羅屋:鉋の裏押し
大工道具の曼陀羅屋:(台直鉋の)下端の直し方
大工道具の曼陀羅屋:立鉋での下端台直し手順
Re:Woodworking(拙サイト):カンナの下端調整
| 固定リンク
「木工雑感」カテゴリの記事
- カンナの口埋め(2018.01.14)
- DIYアドバイザー試験 受験記(長文)(2017.12.12)
- 角ノミ盤はボール盤の代用足りえるか?(2012.07.25)
- 停滞しています(2011.08.16)
コメント
おはようございます。
記事を読む前に返信してしまって、とんだ粗相をしてしまいました。まだ単身赴任継続中なんですね。ご苦労様です。
口埋めは人によって千差万別で、どれが良いってことはないんでしょうが、わたしのやり方は
1.埋める木は木口取り=硬いので擦り減るのが遅くなる。
2.埋め木の幅は8~9mm=次に埋め替える時には少しだけ広く
する必要があるので、最初はなるべく狭くしておく。
透き取りの境目は埋め木と台の境目から。
3.トリマーは使わず(台をむしってしまう恐れがあるから)、細工用の薄刃鋸と鑿で、台の全幅に溝を掘る=
途中までだと境目の処理が面倒。
4.刃口は狭ければ狭いほど良い。鉋屑が出なくなることは無い。台の下端方向から見て隙間が見えるのは広すぎる。
上方向から屑溜まり方向に透かして見て均一な隙間が見えれば
大丈夫。
って方法ですが、富山大学の編集した動画がUPされていますので「富山大方式」って言ってます。
投稿: OYA-G | 2018.01.15 06:46
OYA-Gさん コメントありがとうございます。
なるほどですね。OYA-Gさんのブログをみて1,3,4あたりは見当が付きましたが、コメント読んで納得しました。トリマー使わないなら全幅掘る方が断然楽ですよね。
まだあまり実戦に投入してないのでよくわからないのですが、確かに下端から隙間が見えるレベルだと、前と比べて劇的に変わったという感じは少ないですね。「富山大学」で動画探してみます。
とは言え、どれも数千円から高くても1万円強のカンナしか使ってないので、そろそろ手柴さんに1台お願いしようかな~とか思っています。(結局物欲に走る)
投稿: かんりにん | 2018.01.15 18:05