« 新しいスタートラインへ | トップページ | カチッと止まる »

2009.11.06

勝手に帰ってきたツールレビュー(7) 6インチ 手押しカンナ

久しぶりにアマチュア向けの木工機械をあれこれ紹介する、「勝手にツールレビュー」、今日は手押しカンナについてまとめてみます。

手押しカンナは一般的に切削幅で呼称され、アマチュア的には6インチ、8インチあたりからの選択となると思います。卓上タイプと据え置きタイプがあり、卓上タイプはほぼ全て6インチです。それ以上は据え置きタイプとなりサイズも大きくなります。さらにその上は10インチ、12インチ・・・とあり、幅が広いほど良いことは良いのですが、8インチクラスから価格帯も大きくはね上がります。1台目は6インチ、あるいは大きくても8インチあたりで選択するのが妥当だと思います。今回は、6インチクラスについて、日本での入手しやすさも合わせて見ていきます。

(1)卓上タイプ

リョービ HL-6A
国内では、卓上タイプはリョービがポピュラーだと思います。ホームセンターでも大きいところならば扱っているのが見られます。

切削幅155mm、テーブル長720mm。

デルタ JT-160
2020667
入門モデルとして長いことアマチュアの間でメジャーでしたが、困ったことに日本ではどこも口を揃えたように「欠品中」で、入手困難になっています。検索して見つけたのはDIY CITY内のACEで、ここからおそらくは本国仕様の輸入版を購入できることになっています。
私も数年間これを使いましたが、仕上がりは良好で問題はありません。フェンスについて、アルミで剛性が足りない感があることと、角度調整がやりづらいこと(これは多くの廉価タイプに共通しますが)の2点で不満がありますが、価格と重量のバランスから言ってかなりお買い得感の高い内容になっています。
ACE : DELTA 6インチ卓上手押カンナ盤 JT160

新潟精機(パオック) HPP-150
国内メーカで探すとすれば、新潟精機(パオック) HPP-150がありますが、評判は定かではありません。

(2)据え置きタイプ

据え置きタイプは日本のアマチュア界では一時期デルタが優勢でしたが、代理店の関係か現在は日本での入手が困難になっています。

リブロスデルムンド/Spoke Shave
デルタの代わりにリブロスデルムンドさんが紹介しているのは、オリジナルブランドのSpoke Shave。6インチ、8インチ、12インチのラインアップがあり、入門機はオープンレッグの6インチ「プリメイラ」で7万円弱。
Spoke Shave 手押しカンナのページ

タマクラフト/デルタ、Grizzly(輸入版)
Jt360
老舗のタマクラフトさんでは、依然として総合カタログでデルタのラインアップを掲載しています。ここは輸入代行のようなスタイルですので、本国版の輸入品が送られてくることになります。デルタはJT360(8万円),37-375X(12万円)が記載されています。
「総合カタログ」の「大型加工機械」4-9項参照。
また、Grizzlyについては、セット販売になってしまいますが4-12項にスターターキットという名前のセット販売で、Grizzlyキットと称してGrizzly G0654が組み入れられています。

セットではなく単品、あるいはそれ以外のカタログにない機種も指名買いで輸入代行してもらうこともできます。私もクマ印は2台所有していますが、Grizzlyは日本からは購入総額制限と決済の問題があり、いずれもタマクラフトさんにお願いするのが結局一番手っ取り早いという結論に至っています。

日立、マキタは手押しのみというのが卓上型、フロア型とも見当たらず、自動と手押しがセットになった兼用機があります。最もお求めやすい自動300mm前後、手押し150mm前後のタイプを例示します。

日立 P100RA3

マキタ 2031S

最後に個人的なオススメ機種ですが、まず卓上タイプを選ぶのであれば、やはり今でもデルタのJT-160が(輸入してでも)ベストではないかなぁと思います。現在日本では入門者向けのこのカテゴリーがポカッと空いており、今後の充実を望みたいところです。

据え置きタイプであれば、日本での購入しやすさ、およびメンテを考えるとSpoke Shaveになると思います。但し、中国的な品質トラブルはいろいろあるようです。卓上、据え置き共にあまり選択肢がないですね。海外を見ればもっといろいろありますが、私のようにリスクを厭わないマニアックな人は、個人輸入でも何でもして好きな機種を選ぶと良いと思います^^。

以前も書きましたが、卓上か据え置きかは迷うところではあります。木工を今後も続けて突き詰めていく予定であれば、できる限り鋳造テーブルの据え置きタイプを選ぶのが良いと思います。入門者の方は場所の面、価格の面で卓上を購入されてももちろん十分使えますが、木工を続けるうちにゆくゆくは買い換えることを考慮することをお勧めしますす。

手押し・自動をこれから揃える予定の方は、思い切って手押し・自動兼用機を選択する手はあります。マキタ・日立なのでメンテもある程度安心できます。どちらかというと日立のP100RAシリーズの方が木工のアマチュア~個人工房の方の間ではメジャーなようです。

兼用機については、個人輸入が主になりますが、ヨーロッパスタイルのをこちらこちらこちらあたりにまとめており、卓上型の入門向けタイプもありますのでご参照下さい。JETのB3NCHシリーズの卓上タイプは、見かけによらず案外評判がよいようです。(もちろん、値段から見たら、ということですが。。)

|

« 新しいスタートラインへ | トップページ | カチッと止まる »

コメント

私が初めて使った手押し鉋は木工教室の25センチ幅の国産機
でした。先生に教えてもらいながらでしたが安全装置は何も
付いていませんでした。
オークヴィレッジのセミナーでは初心者には機械は使わせて
もらえませんでした。

その後、木工教室以外に自宅の裏庭で作業をするのに
一番上のリョービの手押し鉋を買いました。
しかし、機械がぶっ壊れるのではないかと思われるような
回り方をするので数回しか使わずに今でも工房の片隅に
眠っています。

今工房で使っているのは中古の国産機25センチ幅ですが
先定盤が固定されたタイプです。
工房建設当時は機械のことをあまり知らずに購入して
しまいましたが、我慢しながら使っています。

投稿: acanthogobius | 2009.11.06 20:28

acanthogobiusさん

コメントありがとうございます。
リョービがうるさいというのはどこかで聞いたことがあります。デルタは速度可変ですが、そう言えば単にうるさいという理由だけで8割くらいの速度で運転していたような気がします。デルタ同士で比べると、おとなしい顔して最高速では手押しの方が騒音計の数値上はウルサイのです。

手押しも国産の中古という選択肢もあると思うのですが、値段があってないような状況ですし、正直私自身があまり詳しくないので本ブログでは当面取り扱わない事にしています。

投稿: かんりにん | 2009.11.06 22:37

最初のうちは自分が何処までやろうとしているのかはっきりしていないので、そういう人は卓上タイプが安くて良いですね。始めた頃からとことん突き詰めようと思っている人は、最初から鋳鉄の機械を買った方が得ですよね。

投稿: た~じぃ | 2009.11.07 12:22

た~じぃさん
そうですね。
オークションで売り飛ばすにしても、宅急便に乗らない重量物はやはり処分しづらいようですので、最初から投資するのは勿体ない気がします。

acanthogobiusさんのように身近に手押しカンナを使わせてもらえる(あるいはやってもらえる)環境があれば、最初のうちは自動も含めてそれに頼る手はあると思います。

投稿: かんりにん | 2009.11.07 14:07

こんにちは。はじめまして。
ちょっと通りすがりますよ。

HPP-150はJT160になんとなく形が似ているように思うのですが
製造業者が同じってことはないっすかねぇ。

HPP-150にスピードコントローラを使用したらJT160相当に
なったりしないでしょうか。

ところでJT160って最低速度でどれくらいの音で、その速度で
どれくらい使い物になるんでしょうか。
購入を検討しているんですが、音の面が気になってます。
よろしければ教えていただけませんでしょうか。

あ、そういえばJT160JPはリブロスさんとこで12月中旬入荷予定に
なりましたね。

投稿: kagoyan | 2009.11.12 23:44

kagoyan さん はじめまして。

HPP-150は実物を見たことがありませんが、JT160はずっと使っていました。狭い部屋での実測で、最高速で98dB、最低速で74dBくらいです。といっても分かりづらいと思いますが、数値としては最低速で静かめの業務用掃除機か、角ノミくらいです。

実測データをご参考まで:
http://woodwork.cocolog-nifty.com/woodwork/2009/11/post-8184.html

ただ、普通に木材を削るのであれば、軟材でも最低速は正直使い物にならないと思います。理屈上、削り量をごくわずかにして、材の送り速度をゆっくりにすればいけるのですが、あまりの遅さにイライラしてきます。

それでも、騒音を気にするのでしたら、お考えの通り後付でも速度可変の方が良いと思います。上でも書きましたがダイヤルで8割くらいにセットするだけで音量的にはずいぶん違ってきます。

よろしくご検討下さい。

投稿: かんりにん | 2009.11.13 00:55

迅速なご回答、誠に有り難うございます。

なんかものすごくお手数をかけてしまったようで申し訳ありません。

コメント、記事(画像)ともに非常に参考になりました。
これをもとに色々検討してみます。

本当に有り難うございました。

スピードコントローラは自作のものがあるのですが、どの器機に
どの程度の静音効果があって、またどの程度実用に堪えるのか
実際に使ってみないとわからないんですよね。

そういった意味でもご呈示いただいた情報は非常に参考になりました。

投稿: kagoyan | 2009.11.13 07:55

kagoyanさん

ご丁寧にありがとうございます。
騒音はワタシの趣味なので(笑)、お気になさらないで下さい。

昔は夜中にどこまで木工が可能かという追求をしていたのですがさすがに限界があり、今は「うるさい作業がうるさいのは仕方がない」と悟り、いかにして週末の迷惑のかからない時間帯にどこまで効率的に集中して作業できるか、という観点で段取りするようにしています。

それでも、作業者の疲労面、健康面から見ても騒音が低い方が良いことは事実です。

投稿: かんりにん | 2009.11.13 12:35

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/41961/46681724

この記事へのトラックバック一覧です: 勝手に帰ってきたツールレビュー(7) 6インチ 手押しカンナ:

« 新しいスタートラインへ | トップページ | カチッと止まる »