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2009.10.05

Beadlock Starter Kit 使用レポート

静かな木工&スピード木工で、変わり種の接合方法として以前紹介したことがあるBeadlockを、Rocklerから購入してみました。3/8インチの基本セットです。

Rockler : 3/8'' Beadlock Basic Starter Kit

リンク先でわかるように、ルーズテノンの一種ですが、電動ドリルで団子5兄弟のような独特な形の穴を開け、専用のテノンストックを差し込んで使います。

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端材で試してみました。
ビスケットのようにセンターラインだけを罫書いたら、青い治具中央の半月形の窓からセンターラインが見えるようにして治具をクランプします。

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この治具の基本はドリルガイドブロックです。3個穴が開いたブロックでまず等間隔に3個を開け、その後、半ピッチだけずらして3個の穴をつなぐようにもう2個穴を開けるわけです。青い治具の上でガイドブロックが左右にスライドしますので、治具は一度クランプすれば外す必要はなく、ややこしい調整は不要です。

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純正のテノンストック(別売)を差し込んでみました。
・・・ゆるい。グラグラです。特に幅方向が緩く、コンマ数ミリはすき間があると思います。写真でも見えるのではないでしょうか。このテノンストックを作るためのルータービットが売っていますので、自分で好きなはめ合いで自作することはできます。

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対する部材は多くの場合木口になるわけで、それを想定して同じように穴を開けてみました。あまり美しくない。
ドリルは罫書き刃のある木工用の類ではなく、金属用に近い形状のドリルですので木口には強いと思いますが、針葉樹ではやはりこの程度。

・・・木口、木端とも、数回テストカットしてみましたが、ガイドブロックがすり減ったのか、ドリル刃が減ったのか、幅方向は緩いまま、徐々に長手方向がきつくなり、テノンストックがそのままでは入らなくなってしまいました。もっと悪いのは、材に対する穴の平行度が悪く、テノンの両端で0.6mmくらい斜めになることがあります。これはツライチで接いだ場合斜めに目違いが起こり、框ならば斜めに歪むことになりますので重大な問題です。

治具自体はそこそこしっかりしているのですが、やはり、ドリルでこういう穴の開け方するのって、どうしてもどっちかに引っ張られて歪むんですよね。いくら治具を工夫しても難しい、ということなのかな、と。

・・・ということで、作業は非常に静かなこともあり、個人的には期待大で購入したBeadlockですが、材料とウデのせいかもしれませんが、ネット上の風評で聞くほど「驚くほど高精度」ということはなく、日曜大工レベル工作なら使えるかも知れませんが、ちょっと今のところ、使い道を見出せないというのが正直な印象。木工ボキャ天ならもう、「ポイ」レベルです。

穴を全部開けなければ、ダボ治具としても使えるとのことなので、そんな感じでまた試してみます。
・・・・広葉樹ならうまく行く可能性ありますでしょうか。

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ツールレビュー」カテゴリの記事

コメント

こんにちは~

私もこれだいぶ前に手軽にほぞ組出来ないかと購入しましたが一度も使用せず、売却しました^^;

ドリル程度では穴開けが綺麗にいかないのとしっかりクランプしていてもずれてしまったりといまいちでしたね。(テストカット時)

テノンストックを作るためのルータービットも購入していましたが使用ず売却しました^^;

ルーターぐらいの高回転でないと綺麗にあかないようにも思います。

最近ではビスケットやドミノを使用して手軽にできるようにと考えてやってみようと考えています。^^

投稿: 田中 | 2009.10.05 07:49

田中さん

コメントありがとうございます。

同じご意見ですか・・・。結構ネットでは評判良いんですけどね。

クランプのずれはなかったと思いますが、もう一度チェックしてみます。ドリルも高回転のACタイプを持っていますので、そっちの方が良いかも知れないですね。

ドミノはアマチュアには高価すぎと思っており、この手のアイデア商品でそこそこの成果が得られれば儲けもの、と思います^^;。

投稿: かんりにん | 2009.10.05 09:11

齋田さんのブログで時々話題になる金属用のエンドミル
を使うとどうなるのでしょう。
齋田さんは角のみ盤に取り付けて使っていますが
回転数はドリルと同じようなものだと思います。
金属用は良く知りませんが0.1ミリ単位で売られている
のではないでしょうか。

投稿: acanthogobius | 2009.10.05 12:38

acanthogobiusさん

コメントありがとうございます。
なるほどエンドミルですか。インチ規格ものですが、0.1mm単位ならあうものがありそうですね。既にやる気はそがれているので、何かのついでの時に買ってみます。

投稿: かんりにん | 2009.10.05 13:00

ハイ(^-^)/
私もこのビードロックに関しては針葉樹、広葉樹を問わず良い話は聞きません・・・ずれるようです。
むしろ、簡単にと言うのを捨て去って正統の雇いザネ加工の方が納得行くんじゃないでしょうか?
つまり、プランジルーターとフェンスとスパイラルドリルで穴を加工し、サネはラウンドビットをルーターテーブルで端をRに加工したものを適当な長さに切って使う?
多分、慣れればそんなに難しい加工で無いのでよろしいかと・・・
で、こんな時便利なのが墨付けに有効な罫書きゲージ!
便利ですよ~大は小をかねないというか・・・300mmのを買いましたが作るものの大きさから言えば小さい方がより軽くて快適そうです・・・
せっかくのビードロック、あらためて日の目を見る機会があるといいですね! がんば~~  ではでは!!

投稿: きすべ~♪ | 2009.10.05 13:45

ハイ(^-^)/ 追記

ドミノでも術者によって加工穴が斜めにも向きます。いわゆる姿勢の癖と中のドリルが右回りと言う事でずれやすい方向が人それぞれ違っても来るようです。材に対してアップカットだったりダウンカットだったり・・・
例えばドミノ加工でどうしても斜めに・・・という人は持つ手を左右変えてみるとか、前に出す足を変えるとかで随分変わってきます。紙一重の作業ですからそんなことも必要な様で?
ビードロックの穴あけは角ノミの穴あけの順番があるように左右をまず開け順番になってます?
あと、ドリルの穴あけは手で持つわけですからフェンスに対して反対側から作業してみると微妙なひきつけ具合が変わるかもですね?
あるような、ないような~姿勢の癖、探してみるのも良いかもですね
がんばです!

投稿: きすべ~♪ | 2009.10.05 13:59

きすべ~さん

アドバイスありがとうございます。やっぱりbeadlock評判良くないようですねー。売っ払おうかとも思いましたが、しばらく捨てずに考えてみます。

立ち位置とクセですか~。人間工学の世界ですね。

ドミノは仕組みを見た瞬間、ずれそうだなと内心思っていましたが、逆に皆さん案外精度よく使われていますね。

投稿: かんりにん | 2009.10.05 15:32

静かになら、やはりホゾ組でしょう。
ホゾ穴は角のみで、ホゾは手ノコでできるので、静かに静かにやりましょう(笑)。

投稿: 松本 | 2009.10.05 17:21

松本さん

角ノミがあるとホゾは案外楽ですよね。手ノコで切りっぱなしでOKな腕が欲しいです。

投稿: かんりにん | 2009.10.06 01:13

ばっかーん将軍も、繊維方向の穴あけは苦労なさってますのね。わたくしも、ポール盤などにきつく挟んでダボ穴を開けていた時代がありました。ほぞ穴、手持ちの機械では難しそうだとそのときに感じました。
 で、FMTを買ってしまったのです。FMTは小さなほぞ組みしか出来ませんけれど、正確無比なので、今ではほぞ組みで悩むことが無くなりました。もっとでっかいFMTがあれば、それも欲しいかな~ (o^-^o)v

投稿: むーじょ | 2009.10.06 05:51

女王さま

なるほどー木口のダボ穴開けからそんな経緯でFMTに行ったわけですね。

FMTは、個人的には「治具」の範ちゅうのものにあの値段は高価すぎると思います。据え置き機械に匹敵する値段ですから。ただ、もしかしたらFMTとかドミノとか、最近の新技術でできることをゼロの状態から見直ししたら、据え置き機械がほとんどない「新世代の工房」みたいなのもあるかもしれない、とふと思いました。

投稿: かんりにん | 2009.10.06 09:11

なるほどねーーー、
みなさん、いろんな工夫をしているようですね。

昔、ビスケットを使おうと思って、ジョインターを買いましたが、試験的に使ってみましたが、精度が悪すぎて、それっきりで 棚の奥に放ってます。

投稿: ryuusei | 2009.10.06 16:39

ryuuseiさん

コメントありがとうございます。
ビスケットジョインターの精度は機種によってピンキリですし、きすべ~さんによると使用者のクセも大いに関係しそうです。上下2枚ダブルで使うとか、その他ノウハウもいろいろあるようです。

欧米では、一冊丸ごと、椅子から棚から何でもビスケットで作ってしまうという本があるようですが、強度的にも不安ですよね。個人的には板矧ぎメインで使うくらいが正しいと思います。

投稿: かんりにん | 2009.10.06 17:20

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