« 掃除機カタログ比較 | トップページ | Rockler小物 2題 »

2009.09.28

2電源ライン確保のススメ(修正あり)

昔は「電化製品の禁忌」というのがありまして、「電子レンジとトースターを同時に運転するとブレーカーが落ちる」とか、各家庭により組み合わせがいろいろあったと思います。炊飯器が途中で落ちると大変でした。今は調理器具の全体に占める「電気エネルギー」の比率も増え、ブレーカー容量も上がっているのだと思いますが、そういうことは全く聞かなくなりました。

それでも木工機械を見ると、バンドソーや角ノミあたりで700~800W、テーブルソーや自動カンナで1000Wか1500Wはごく普通にありますから、同時に照明を付けたり集塵機に回したりしていると、電圧降下が発生し、照明が暗くなり回転数が落ちる、あるいは、起動時や重切削時に「プッチン」とブレーカーが落ちる、ということが往々にしてあります。

(1)電圧降下
電圧降下は、細く長い配線を電気が通る場合に、その抵抗分によって電圧が降下してしまう現象です。
銅線の抵抗なんて数Ωじゃないのかと思う方もいるかも知れませんが、交流でのインピーダンスとか言うのを考慮すると無視できないんだそうです。詳しくないので松本さんオススメのサイトを引用しますが、計算は下記に従うと計算できるそうです。

http://www.hst-cable.co.jp/products/pdf/P75-84.pdf

ここでは、正確に計算するよりも定性的な理解をする方が有用と思いますので、
「IV,裸線の場合はこれでもよい」とされている簡略計算式の方で見てみますと、

電圧降下(V)= 35.6 × 電線長[m] × 電流[A] / (1000 × 断面積[sq])  (単相2線式)

なるべく引き回す配線長さを短くし、断面積を稼げば改善できることが読みとれます。
また、100Vよりも200Vラインで配線した方が電流が約半分になることが期待できますので、有効です。

(2)ブレーカー
ブレーカーは、最近の家であれば個室には20Aのブレーカーを配置するのが一般的なようです。電力(W)は電圧(V)と電流(A)の積なので、100Vなら合計で2000Wくらいの機械を同時に回せると言うことです。但し、起動電流もありますので、それ以下で落ちるケースもありますしそれ以上でも行けるケースもあります。電流ブレーカーは電流値(A)を検知しますので、200Vでも20Aと書いてあれば20Aで作動します。この場合は4000Wくらいまで回せる計算になります。


趣味の木工では、作業場が屋外、あるいは自宅の一室、離れの工房・・・、と作業スタイルは各人で異なると思いますが、機械が揃ってくるにつれて、電源ラインが100V1本だとストレスがたまることになると思います。下記に考えられる対応を挙げます。

(a)電源ラインを複数確保する。
  隣の部屋から失礼して延長コードで引っ張ってくるなど。
  大元が一緒なら一緒じゃないかという気もしますが、宅内配線の方が細いことが問題なので、断面積を2倍にする効果があります。(長さが倍になったら帳消しですが・・・。)ブレーカーが一つ落ちても照明は消えず、暗闇の中で手探りしなくても良くなる、という利点もあります。

(b)(可能であれば、)200Vラインから電源を取り、変圧トランスで100Vにして使用ことを検討する。
  若干お金がかかりますが、200Vラインがあれば、あるいは200Vラインに変更できるラインがあれば、これも有効です。但しトランスは容量をきちんと見て選んでください(思ったより高価です)。
 誘導モーターの機種なら、一部を200Vに配線変更してしまう手もあります。(余談ですが、上記の原則からは、「機械を200Vにして直前にトランスを入れる」というのはあまり意味がないことが推定できます。)

(c)延長コードはなるべく短く、太くする。
  あり合わせのOA用あるいは家電用のテーブルタップで延長したりせず、ホームセンターなどで太いコードを購入して下さい。電圧降下した状態での継続使用は、モーターにも負荷があり、発熱、発火、断線などの故障にもなりうるそうです。やっている方はいないと思いますが、たこ足、継ぎ足しでの延長もやめましょう。

ということで、機械が途中でダウンする、集塵のパイプが詰まる、1回の切削量をチョットずつでガマンしなければならない・・・、と、電源周りは案外、じわじわとストレスのもとです。日々「喉元過ぎれば」でごまかせてしまうところはありますが、思い切って対処してしまうとスッキリします。

法規や電力会社の規制はよくわかりませんが、一般的には個室に20Aを超えるブレーカーを配置することは少ないようです。ので、趣味の木工家には現実的には最低電源ラインを2つ確保する、というのが良いのではないかと思います。その際は、集塵機と集塵される機械を別ラインに接続し、できれば余裕のある方に照明を回す、というように2ラインに均等に負荷がかかるようにします。

最近、200Vタイプのエアコンが増えるに伴い、200Vの(あるいは現状は100Vラインだが将来的に200Vにできるように)エアコン専用ラインのブレーカーを設置する家庭が増えましたが、このラインは木工的には狙い目だと思います(笑)。

※宅内の配線や、ブレーカーを交換、増設などをシロウトが勝手に行うことは、法律で禁じられています。電力会社との契約において違反を生じることもあります。
また作業やその結果自体に危険を伴う場合がありますので、各自よく調査の上で取り組みをお願いします。

|

« 掃除機カタログ比較 | トップページ | Rockler小物 2題 »

「TIPS」カテゴリの記事

「工房」カテゴリの記事

木工雑感」カテゴリの記事

コメント

会社で使っている小さなファイルサーバーとファイアー
ウォールを保護するために無停電装置を設置しています。
この無停電装置は停電時に緊急の電源を供給するのは
もちろんですが、電圧が一時的に下がった時に、それを
補う機能を持っているそうです。

時々、カチン、カチンとリレー(?)が切り替わる音が
して電圧降下を補正しているようです。
この無停電装置を繋ぐコンセントの場所によっても
カチン、カチンの頻度が違います。
あまり、その頻度が高いとバッテリーの消耗が激しい
そうなので、できるだけカチン、カチン言わない(笑)
コンセントに接続しています。

投稿: acanthogobius | 2009.09.28 15:06

acanthogobiusさん コメントありがとうございます。

木工機械に無停電電源ってどうなんでしょうね。と思ってちょっと値段を見てみましたが、お遊びで買える値段ではないですね。多分多くの場合電気屋を呼んだ方が安いでしょう^^;。

メーカーとしては全く想定外の使用方法でしょうからその点も不安が残ります。

投稿: かんりにん | 2009.09.28 17:45

本題とあまり関係のない話題で失礼しました。

工房では、100V用が20A、エアコン用200Vが20Aと,もう1系統
200Vで20Aを引いています。
デルタの集塵機は200V用につなぎ替えて使っています。

デルタのバンドソーやマキタのスライドソーは100Vで使っていますので
照明と併用だとギリギリの状態だと思います。

投稿: acanthogobius | 2009.09.28 21:03

間違いではないですが、偏っているので一般的な計算方法の方がベターと思います。

一般に上記の式はIVや裸電線(滅多に使用されません)に用いられるので、やはり力率等を配慮した、基本計算式(VV等)を用いる方がベターと思います。またforestさんが書かれた式は、断面積がXと見間違いされますよ。
Xと書きたいならば/以降に( )が必要です。
そのまま書きたいならXではなく/です。

上に書いた基本計算式は、
http://www.hst-cable.co.jp/products/pdf/P75-84.pdf
を参考にされたらよいでしょう。
ちなみに負荷力率は0.8位でよいと思います。

まあ、でも大まかにはforestさんの式の結果を1.2倍とか1.3倍とかしておけば、現実に近くなるでしょう。

投稿: 松本 | 2009.09.28 22:29

松本さん

ご指摘ありがとうございます。専門家の前で恥ずかしげもなくホラをぶち上げてしまいました(恥)。

お詫びの上、理解できた範囲で修正させていただきました。説明の都合上簡略式を残しましたが、あくまでワタシのようなシロウトが定性的な理解しようとすると、という意図でお許し下さい。

式中の×、÷についてはご指摘の通りで、技術系としては気を付けなければいけない点でありました。

気付いた点あれば今後ともご指導下さい、

投稿: かんりにん | 2009.09.29 08:46

acanthogobiusさん

工房の規模にもよりますが、作業者が一人なので、同時に全ての機械が動くことはありませんから、それだけあればアマチュア的には大丈夫でしょうね。と思いましたが、ギリギリですか。照明をエアコンラインから降圧して採るとか(笑)、「カチンカチン言わないコンセント」を探すしかないのではないでしょうか^^;。

投稿: かんりにん | 2009.09.29 08:57

はい、「修正あり」なら問題ないと思います。
でも、私から見たら専門家じゃないのに、よくやるー、と思っていますよ。ご苦労様です。

投稿: 松本 | 2009.09.29 22:33

松本さん

校正ありがとうございました^^;。

投稿: かんりにん | 2009.09.30 00:32

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/41961/46334396

この記事へのトラックバック一覧です: 2電源ライン確保のススメ(修正あり):

« 掃除機カタログ比較 | トップページ | Rockler小物 2題 »