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2009.08.19

ユーロスタイル・スライディングテーブルソー

G0700_det2

テーブルソーの範ちゅうで、「ヨーロッパスタイル」と認識されているタイプがあります。左側がスライディングテーブル、右側が固定テーブルになっていて、通常のキャビネットソー並みの占有面積(フットプリント)で収まるタイプ、と言った感じです。ただヨーロッパの業者のサイトを見ると、それ以外の種類のテーブルソーも見つけることができますので、ヨーロッパ圏の人にとっては日本人が「アメリカンコーヒー」と言っているのと同程度の意味かも知れません。

日本ではどのような位置付けになるか分かりませんが、「軸傾斜横切り盤」となるようです。ただし比較的小規模な工房で、縦挽き・横挽きとオールマイティーに使われることを意図しているように思います。スライディングテーブルは必要最小限に小さくし、その代わり定規とスケールストッパーが延長して用を成す形になっています。(大きい、重い材料をテーブルに載せてスライドするのは辛いと思います。)

このタイプは、日本ではKUFO SK-250TSという機種を甲斐原工機さんが以前から精力的に紹介されていました。
http://homepage2.nifty.com/kaibara-koki/osusume03.htm
(リンクがずれていれば、トップページから辿ってください。)
T's 韓国日記の松本さんのところで知りました。バリを防ぐ「毛引きカッター」がうらやましいです。

さて日本では、上記のKUFO以外にはなかなか入手できそうなものがなかったのですが(個人輸入含めて)、Grizzlyから新しくユーロスタイルスライディングテーブルソーが発売されました。

Grizzly G0700
 ・バリを防ぐ「毛引きカッター」付き。
 ・スライドテーブルは必要時には固定可能。
 ・割刃、及び、集塵機構付きのブレードガードを装備。
 ・単相220V、5馬力、総重量214kg(梱包除く)。

割刃はブレードと同時に昇降するタイプですが、溝突き用の三日月型のタイプが付属するかどうか現時点では不明です。(改造は簡単な気がします。)また、Grizzlyは依然クレジットカード決済の問題と、フォーワーダーを別途手配する必要があります。

これまでもGrizzlyには、スライディングテーブルソーの最廉価タイプでG0623Xというのが同価格帯でありました。本体部分はほぼ同じもののようですが、スライディングテーブルが脚付きで若干大げさな作りになっています。
Grizzly G0623X

従来のテーブルソーに、スライドテーブルを後付けするオプションはいくつかありますが、刃口との距離が離れてしまうのが難点です。スライドテーブルが必須とお考えの方で、設置面積(と予算)に悩んでいれば選択肢に入ると思います。但し、1台目のテーブルソーにスライドテーブルが必須かどうかは正直意見の分かれるところだと思います。(オールマイティーな兼用機という上記の説明とは矛盾しますが。)

本場?ヨーロッパまで手を拡げるとどうなるかは別途調査してみます。

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ツールレビュー」カテゴリの記事

コメント

KUFO台湾のメーカですが、なかなか良いですよ。以前台湾から直接集塵機を購入して、その後ダイレクトメールが来ていましたが、そういえばなんだか最近来てないですね。

例のSK-250TSはフットプリントは確かに小さいですが、横切りのフェンスが横に長いので、つまり長いまま前後しますので、結構占有面積を取られます。もっとこじんまりした、今回ご紹介のGrizzlyなんか最高ですね。

それと、ケヒキ刃に魅力を感じられているようですが、使わずにそのまま装着していると危ないので、私は取り外したままです。特殊なプリント合板等では威力を発揮するかもしれませんが、普通の無垢の板では無くても全然OKです。もちろんブレードの切れ味にもよりますが。

スライド付きテーブルソーと言えば日本では、甲斐原工機の他では、リブロスデルムンドでRoblandの万能機、P-TOOLSではFELDERや、似た系統の有名な協和機工のぺティワーク位でしょうね。いずれもお高いですが。

投稿: 松本 | 2009.08.19 14:13

{毛引きカッター}
何度見ても鼻毛カッターに見える僕を叱って下さい。

投稿: くろ | 2009.08.19 18:19

松本さん
KUFOユーザーからのコメントありがとうございます。

フットプリントのご指摘に関しては、フェンスの長さもさることながら、スライドテーブルであることでテーブルのスライドする前後にもかなりのスペースが必要になりますね。
実は私も今のGrizzlyの左側をスライドテーブルにしようと企んだ時期があったのですが(合体ロボ化計画)、スライドする余裕がなくあきらめた経緯があります。

毛引き(罫引きの方が正しいかも)カッター、無垢材では意味ありませんか。確かにあまり困った自体には遭遇した記憶がないですね。

くろさん
集中して木工すると鼻毛がよく伸びる気がします。身体の防衛機構が働いているのでしょうか。

投稿: かんりにん | 2009.08.19 18:54

ペティーワークはKUFOの定価とそんなに変わりませんよ。

投稿: acanthogobius | 2009.08.19 20:50

acanthogobiusさん

ペティーワーク、評判はよいようですね。ただネットで探しても、探し方が悪いのか販売価格が一つも見つけられませんでした。

「時価」と言われると腰が引けてしまうのは日本人(の庶民)の習性であります。

投稿: かんりにん | 2009.08.20 08:49

そうですね。
私が以前勤めていた会社(倒産しましたが)が協和機工と
取引がありました。
一応定価は60万ということのようです。
以前P-toolsさんに問い合わせた時は45万という返事でした。
前の会社の同僚から協和機工の担当者を紹介してもらって
私は40万で購入しました。
中古機械屋さんがびっくりしていましたので、やはりこの価格は
なかなか出ないようです。
タイプは片方のテーブルしかスライドしない、一番小さい物。
三相3馬力、私が工房を作った約5年前の税抜きの価格です。

投稿: acanthogobius | 2009.08.20 10:02

acanthogobiusさん
ペティワーク情報ありがとうございます。
5年前とのことですが、だいたいの価格イメージが掴めました。

投稿: かんりにん | 2009.08.21 10:24

わたしの使ってるのは松本さんとスライド部分がほぼ同じ
http://www.p-tools.com/metabo2/tk1693.htm
メタボのスライドソーです。
これのメリットは単相200Vで使えることです。

以前はテクノトゥールズさんで取り扱っており、ウチも機械屋さんを通してテクノさんから買いましたが。
今テクノさんでは中国製かな?同様なスライドソーを扱ってるみたいです。

投稿: さえちゃん | 2009.08.24 14:33

あ、メタボのいいところも書いておきますね。
軽い!2人いれば持ち運べます。
コンパクト!ロングスライドレールをつけてるので、その部分は長いですが、スライドテーブル側の定規などを取り外し、固定側の延長テーブルもはずしてしまうとかなりコンパクトで、その上レバーで車輪を出し入れ出来るので、押して移動もラクラクです。
ノコのついた機構部分がノブを引くと内部でスライドするように成ってて定盤の手前の方までノコが移動できるので、ロングスライドとあいまって1800mmを縦に割く事が出来ます。

悪い所
軽い分剛性も低いので重い材料をドンと載せると狂ってしまって調整のしなおしです。
高い!やっぱちょっと値段が高いです。

投稿: さえちゃん | 2009.08.24 14:41

さえちゃん (恐れ多いですが「さん」ナシで良いですよね・・・。)

Metaboも評判良いですよね。

ともかく重たけりゃいいんだというアメリカ式の機械と違って、ヨーロッパでは一部の機種に、構造を工夫することで強度を持たせるような設計思想を感じることがあり、お国柄かと思っています。

さらにこの機種はノコ刃がスライドしてスライドソー的な使い方もできるということで、アメリカ製品にはない発想だと思います。たまに当ブログでもおもしろ半分で紹介していますが、ヨーロッパ製品のそういう発想、結構好きですね。

しかし軽いですねえ。モーターは誘導モーターのようですので、定盤がアルミ(?)プレス(?)なんでしょうか。

投稿: かんりにん | 2009.08.24 18:14

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