アメリカのモーター規格(1)
アメリカのモーターの寸法関連の規格をググって調べています。
日本の規格については松本さんに無理をお願いして解説していただきました。
T's韓国日記:三相誘導電動機の規格
アメリカについて調べたところは、簡単に言うと、アメリカの誘導モーターは、NEMAという団体がモーター寸法の規格を作っており、数字とアルファベットからなる記号を取り決めているようです。交換の際は同じ記号のものを入手すればよい、ということになっており、その記号はモーターのラベルや銘板、あるいは説明書に、その記号が書いてあるということらしいです。
いくつかある中で、最も理解しやすかったサイトの説明http://tristate.apogee.net/mnd/mfnffsd.aspを訳してみました。
<フレーム寸法の指定>
NEMA(National Electrical Manufacturers Association;アメリカ電気製品製造業者協会 は、モーターフレームの様々な寸法と取り付け方法を記述するために、標準化された数字とアルファベットの記号を割り当てています。NEMAフレーム寸法が標準化されているために、モーターを交換する場合は、メーカを問わず、同じフレーム番号のものを選べば、取り付け方法や取り付け穴の位置は一致することになります。
NEMA標準には、フレーム寸法記号は、モーターのフレームの寸法、取り付け方法、その寸法に関する情報が提供されています。フレーム寸法記号は、モーターの電気的な特性を直接的に示すものではありません。しかし概して、フレーム寸法記号が大きければ、モーターの物理的な寸法は大きくなり、馬力も大きくなります。
様々なやり方で取り付けができるように、同じ馬力、同じサイズのモーターでも、異なる寸法のフレームに取り付けられているモーターがたくさんあります。フレーム寸法記号は、接頭文字(アルファベット)、フレームナンバー(数字)、接尾文字(アルファベット)で示され、たとえば「EF56C」のように表記されます。
皆さんが目にするフレーム寸法には、3つの異なる体系があります。1954年より前、オリジナルとして知られる最初の体系が存在しました。1952年、NEMAは材料や製造技術の進歩に対応するために、「Uフレーム」と呼ばれる新しく作られた体系を採用しました。1964年、現在の新しいNEMA規格が採用され、今日NEMAが取り決めるフレームは「Tフレーム」と呼ばれています。
(フレーム寸法記号のうち、)フレームナンバーは、2桁あるいは3桁の数字で表されます。例えば、48、56、145、215などです。
もし、銘板に2桁のフレームナンバーがあれば、そのモーターは1馬力以下です。そして、その数字はD部寸法(駆動軸の中心と台座の底部中心と間の距離)が、16分の1インチ単位で示しています。例えば、EF56Cフレームモーターは、1馬力以下であり、D部寸法は56です。56に16分の1インチをかけて、D部寸法は3.5インチである、と換算されます。
フレームナンバーが3桁のモーターは、1馬力以上のモーターであることを示します。D寸法を計算するためには、最初の2桁の数字を4で割ります(インチです)。EF145CフレームのD部寸法は、14÷4で3.5インチになります。
D部寸法が大きくなるに従い、モーターは大きくなります。3桁目の数字は、モーターの長さを示します。台座に平行な取付穴間の距離を示しています。
NEMAフレーム記号の前に付けられている文字は、製造業者により任意に付けて良いことになっています。NEMAでは特定な意味を与えていません。その重要性と意味は製造業者によって異なります。上述の例では"EF56C"の"EF"は、製造業者によって付けられ、製造業者で何らかの意味を与えられています。
【寸法】
A:お尻から見た際の、台座の外形寸法
B:側面から見た際の、台座の外形寸法
D:駆動軸の中心と台座の底部との距離
E:軸の中心線と台座の取り付け穴センターの距離
F:Eと同様であるが、側面から見た際の、軸の中心線と台座の取り付け穴センターの距離
BA:シャフト端部から最も近い取り付け穴センターと、シャフトの最初の点までの距離
U:シャフトの直径
V:シャフトの長さ
今、追加情報、および一覧表のようなものを探しています。見やすいものがあれば次回紹介します。
但し、予想通りインチ規格なので、日本のミリ規格と合致させる、即ち日本のモーターに載せ変える、なんてのは難しいような感じですね・・・。
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コメント
なるほど、良く分かりました。
grizzlyのモーターのページを見ても確かにNEMA56
なんていう記載があります。
ただ、3馬力のモーターでもNEMA56と書いてあって
この辺はちょっとアバウトな感じですね。
フランジタイプの取り付けにも何か規格があるのでしょうか?
フランジタイプのモーターはあまり一般には売られて
いないようですね。
投稿: acanthogobius | 2009.06.25 15:22
NEMAということは知っていましたが、中身については全く知りませんでした。情報ありがとうございました。
なるほど、やはりアメリカですから寸法数値もインチ規格なんですね。これが腹が立ちますね。
我々が木工に使い得る、例えば5馬力以下の外形寸法が載ったカタログを探して見ましたが、なかなか見つけられませんでした。もしございましたら、教えてください。それで、日本とNEMAとの枠番(考え方は日本と同じですね)の比較をしたら面白いかと思っております。ひょっとして互換性があるのでは・・・
投稿: 松本 | 2009.06.25 18:14
そうそう、トラックバックありがとうございました。
投稿: 松本 | 2009.06.25 18:15
acanthogobiusさん
ありがとうございます。 いきなり例外の登場ですね^^;。だいたい、フレーム番号はモーターの電気特性には関係ないと言ったそばから、1馬力以上/以下を示すって言うのはおかしい気もします。
フランジタイプというのは、モーターのシャフトが出ている面を機械に取り付けるタイプでしょうか。調べてみます。
松本さん
NEMA標準の一覧表はありそうなので、次回紹介します。ヤスリでごりごりやってハマるくらいならDIY的には万々歳ですよね?
ミリ規格の方はIECにありそうです。日本がIECに準拠していると良いですが。但し、実質上アメリカはNEMAが主流でしょうねぇ。
投稿: かんりにん | 2009.06.25 18:48
NEMA規格の脚だけ手に入らないもんですかね。
日本のモーターも、脚の規格によってモーターの構造を変えるなんて
ことはしていないような気がするので、NEMAの脚もJISの脚も同じ
モーターに取り付くようになってないですかね。
アメリカ向けにはNEMA規格のモーターも沢山輸出しているはず
なので。
投稿: acanthogobius | 2009.06.25 20:47
acanthogobiusさん、残念ながら一般的に足の構造は、本体と一体型になっていて、ボルト等で取り外しできる構造ではありません。溶接あるいはリベット等取り外しできない構造です。
確かに、日本からNEMA規格でアメリカにも輸出しているはずですね。
投稿: 松本 | 2009.06.25 22:37
acanthogobiusさん、コメントありがとうございます。
松本さん、ヘルプありがとうございます。
うーん、日本のメーカーがNEMA規格のモーターを米国に輸出していたとしても、それは電圧・周波数は米国仕様にしますよね普通・・・?
投稿: かんりにん | 2009.06.25 23:55
うーん、やっぱりだめか。
難しいですね。
投稿: acanthogobius | 2009.06.26 09:07
外形一覧表よろしくお願いします。
重要でもありませんが、今気が付きましたが、eとf寸法の箇所は日本と同じですね。つまり、2E(E+E)が取り付け幅寸法、2F(F+F)が取り付け奥行き寸法です。
また枠番の数値の意味も取り付け座の下から軸センタまでと言う定義も同じでしたね。
あとはこのeとfの数値がどの程度違うか、また合っているかですね。
投稿: 松本 | 2009.06.26 09:22