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2008.10.30

カンナの下端調整(3) どちらが正解?その3

このトピックスの締めくくりとして、和カンナの仕込みについてまとめます。
Plane3

上の図表は、和カンナの用途別の仕込み方をまとめたものです。特殊なカンナは省略しています。
カンナは、基本的には荒仕工、中仕工、仕上げの3種類を持つように教えられます。順に見ていくと、荒仕工は効率よく荒削りできるようにすき取る幅も大きく取ります。中仕工はすき取る量が荒仕工に比べて小さくなります。それと同時に一部の記述では、台頭も接するようにして「3点当たり」とするようにと書かれています。これはこの中加工の段階で、平面を出すことを重視していると考えられます。

当然、仕上げカンナも「3点当たり」にするのかと思いきや、再度2点当たりに戻っています。これは、あくまでも仕上げカンナは「凸凹を均す」というよりはむしろ面の調整であり、薄く均一な削り屑を出すことが大切であると理解できます。

基本的には以上なのですが、さて、今回のエントリーをまとめるために昔の教科書を引っ張り出したりして、初めて気が付いたのですが、「継板材用」、あるいは「板材(接いだもの)用」として、刃口をわずかに浮かせるセッティングがごく一部であるようなのです。

上表には一番下の欄に記載しましたが、(b),(c)の部分が浮いており、他の部分が接している状態で、全体にはなだらかに凹になっている状況で、上の図とは少し違ったイメージになります。最初は「矧いだ板」用のことかと勘違いして、矧ぎ面の目違いを払うのかと思いましたが、矧ぎ面の目違い払いならばこのセッティングは違うと気付きました。

今のところ、「接ぎ」という漢字およびその仕込み方から考えて、組み手で組んだところ(箱物の外側の四隅みたいなところ)を払うためのカンナかな?と思っています。角だけちゃちゃっとやるのであれば、このセッティングは確かに角でも安定して削れ、角がダレることなく綺麗に仕上がるような気がします。(その代わり、角しか削れない(はず)。)

本当のところはどうなのでしょうか?ご存じの方がいらしたら教えてください。

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