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2008.06.02

豊かな家具(4)

何の言い訳もなく続編エントリー(笑)。
多少文体が変わってるかも知れませんが大目に見て下さい(笑)。

・・・・・・

iPodが流行る前から、その「聴き方の変革」は訪れていたと思う。
「CD」という、ランダムアクセスできる記録媒体のおかげである。

ひと昔(以上?)前、レコード鑑賞は、茶道にも通ずる儀式でさえあった。と書くとウソになるが、ともかく、LPレコードはA面の1曲目に針を置いてそこから聴いて、裏返して、B面の最期の曲を聞き終わるまで、正座して(しなくても良いけど)順番に聴くのが普通であった。だからこそ当時のディレクターは、多分曲順にまで構成をこだわって1枚のLPレコードを作っていたと思う。

CDの台頭により、これらの儀式は簡略化され、音楽鑑賞はより身近なモノとなった。たとえばアルバムの12曲の中で、好きな4曲だけ聴く、とかいうスタイルができるようになった。するとこの人は「ああ、オレこのアルバム好きだと思ったけど、実はその中の4曲だけだったんだ」、と思うようになる。

さらに、デジタルサウンドプレイヤーが普及し、ネットで1曲1曲ダウンロード購入が可能になった。今では、統計によってはダウンロード販売の方がメジャーになったと聞いている。そうなってしまうと、「あのヒトのこの曲と、このヒトのあの曲と・・」と、全て単品販売である。即ち、「曲順」は作る側ではなく、聞く側の権限(勝手)になってしまった。

iPodとiTunesは、私の知る限りこれらのバラバラの楽曲達をマネージするための一つのシステムであり、それらのダウンロード、在庫管理、視聴・・・を、一つの流れとして構築し、「聴き方」、「スタイル」として定着したものである、と思う。(他社のプレイヤーが苦心しているのは、後発であること自体と、まずハードありきでこの「流れ」を軽視しているのが敗因ではないかと。。)

もちろん、iPodを始めとするデジタルサウンドプレイヤーが現在の音楽ツールの主流となっているのは、他の理由もあるわけであるが、この点で特にiPodは、「価格」でも「機能」でもない、新しい「価値」、あるいは新しい「スタイル」を提供した、というよりはむしろそれまでモヤモヤとしたものを「定着」させたのだと思っている。

家具に戻って。安価で高デザインな輸入家具が氾濫する現在、生き残って行くには「価格」でも「機能」でもない、新しい「価値」を付加することを考える方が良いのではないかな、と。あるいは、思っても見なかった新しい生活スタイルを家具の方から提案するっていうのも良いと思う。

「ニッチ」と言ってしまえば何ともビジネスチックで味気ないが、日本人が日本で暮らしていて、ふと空いてたココロのすき間を埋めるものとか、日本人の感性でふっと受け入れられる新しいスタイルとか、そういうありそうでなかったものの提案、みたいなところに、小~中規模の家具作り屋さんの道があるような気がしてならない。

それがもしかしたら、「手づくり感」なのかもしれないし、「組み手」なのかもしれないし、「無垢板100%」なのかもしれないが、それ自体は現時点何がいけないのか圧倒的に成功しているとは思えない。でも、「圧倒的に成功する」というイメージ自体が、大量消費時代の尺度なのかも知れなくて、もっと隠れたところに成功事例は既にあるのかも知れませんね。

ワタシ自身はアマチュアの木工マニアであり、こんなことを考えるのはもちろん無意味です(笑)。
ただ、最近は、市販の家具のそっくりさん方向で作り込むのではなく、「我が家フィットな何か」を一つずつ入れていくことにしようか、そんなことをぼんやりと考えている次第。


はい。強引に終わらせました(笑)。

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