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2007.05.06

Eurekazone EZ スマートガイド レビュー まとめ

連載していたEZ Smart Guideのレビューも一段落させるつもりです。

まず、皆さんが気になっている、「私はコレで・・・」の出典を明らかにしておきます。

私がこのEZ Smart Guideに目を付けたのは、TOOLCRIBのウェブログの"DIY Table Saw Alternative: EZ Guide + Circular Saw"という記事が最初です。ここに引用されている、WoodNetでのBurtさんというプロの木工家の方のコメントがそれです。

「ホントにEZはパネルソーとユニソーとスライド丸ノコの代替となるのか?」という疑問については、TOOLCRIBは、引用の形で

「もしあなたがプロ並みの精度を求めているDIYerなら、(テーブルソーの代わりとして)FestoolかあるいはEZを検討する価値があるだろう」

とまとめています。 もちろん、それはBurtさんの言うほど、万人に対して万能性を持つものではないと思います。

私の印象としては、EZは明らかに合板などのパネル状のものを扱うことを主眼に設計されています。テーブルソーにサブロク板をおっかなびっくりかますくらいなら、EZを使う方がはるかに安全に精神的に安心して短時間に精度良くカットすることができます。また、占有スペースの面でも、特に大きな材料を扱う際にはEZの方が有利です。私のような狭小工房では、大きな材料については材料を動かすより機械を動かした方が得です。EZなら使わないときは「片づけて」おけますし!

意外とセッティングが簡単なことも長所として特筆できると思います。丸ノコにハカマをはかせるところが若干面倒ですがそれさえ一度やってしまえば、片づけてあったEZを取り出して、カットを開始するまでに2分とかかりません。丸ノコはハカマを付けたままで、普通の丸ノコ同じような使い方もできます(若干切り込み深さが浅くなりますが)。

但し、小さい材料を扱う場合や、直角切り、あるいは繰り返しの定寸切りについては、テーブルソーの方に軍配が上がると思います。これらの弱い点については、EZではオプションの購入で対応できるようになっているようですが、それらの使い勝手については購入していないので今回はレポートできません。

こと、EZについて惜しまれるのは、レールはとても立派なのに、それ以外の部品がプラスチック製でチャチなことです。特に各面の平面度がアヤしいのが残念。また、プラスチックゆえヘビーデューティーな使い方をしたときの耐久性も不安が残ります。

とにかく、丸ノコに対して、恐怖症、あるいはそこまで行かなくてもいろんな意味で苦手意識を持っている方には、一度試してみることをオススメしたい製品です。テーブルソーに匹敵する精度を得られる実力は持っています。
もちろん、FESTOが買えるような資金力あるいはあぶく銭がある方はそちらにGO!です。

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ツールレビュー」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
いつもながら、的確なレビュー、楽しく拝見しました。
私もfestoolを使って丸ノコがこんな便利なものかと、認識が大きく変わりました。
多くの人が、丸ノコ使用の際、丸ノコ定規を自作することに、メーカー側は何のサポートをしないのが不思議になります。
精度のある定規を提供するなり、丸ノコベースにレール用の溝をつけるだけで、随分と利用の幅が広がるはずですし、丸ノコの地位も上がるってもんです。

スマートガイドはこれから使うたびにジグや工夫が増えそうで楽しみですね。

投稿: pongoo | 2007.05.06 23:28

pongooさん

そういう私が、丸ノコに対して苦手意識というか、扱いにくいものを感じていた張本人です。ですから、ご指摘は全くその通りと思いますし、ワタシもEZを使って最初にカットした時は、ある意味拍子抜けしたような思いを感じました。

日本では「治具」は自分で工夫するものであって買うものではないという考えがあるのでしょうか。「治具ビジネス」というものは(もしあれば)、日本では現時点成立しそうにありません。

でも、治具を作るためにも、やっぱり治具が要るわけで。

FESTOOL自身も日本では、どこの代理店を見てもつつましやかに「1400mmのガイドレールが付属します。」と書いてあるだけです。その恩恵を正しく伝えているのは日本ではpongooさんのサイトだけではないでしょうか?

投稿: かんりにん | 2007.05.07 16:59

私は次のような一文を書いたことがあります。
http://homepage2.nifty.com/jomonjin/diy/marunoko.html

今回の一連の記事は実に参考になりました。

私はテーブルソーで指を切ったことがあるので、この製品にとても魅力を感じます。
http://homepage2.nifty.com/jomonjin/diy/jiko.html

これで作業台とフェンスを工夫すれば、テーブルソーなしで行けるのではないかと感じました。(私の場合、ですが)
「刃が下を向いていて、丸ノコ本体が動くテーブルソー」と考えれば良いのかもしれませんね。

投稿: 縄文人 | 2007.05.10 05:35

縄文人さん

痛々しい画像、拝見しました。

今回のレビューでは、安全面についてはあまり記載しませんでしたが、購入の動機としては大きなものがあると思います。

やっぱりテーブルソーはあると便利で使ってしまうと思うんですが、数多の事故例を見ると、何でもテーブルソーでやってしまおうと無理するのが良くない結果になるのではないかと、実は考えておりまして。

長いリッピングはこの手のガイド+丸ノコで行い、溝掘り、段欠きはルーターテーブルで行い、・・・というように分業化を進めていけば、テーブルソーでしなければいけない作業というのは自ずと限られ、さほど危険な作業は残らないのではないかなと思います。

というのが、テーブルソー欲しい欲しいと言いながら、それより先にヘンな道具に寄り道してしまった言い訳ですね(笑)。

投稿: かんりにん | 2007.05.10 10:09

こんにちは。
FESTOOLは良いのは判ってても手が出ないと思っていたら、
やはりこのような製品が出てきたのですね。
3×6はまだしも4×8ランバーコアなどともなると、
機械の上に乗せるだけでも一苦労ですから、最初の1裁ち
だけでも手丸鋸で切れると楽ですよね。

ここからはあくまでも私見ですが、わたしとしてはやはり
手の丸鋸よりテーブルソーの方が安全だと思っています。
しかしそれはあくまでも定規を使ったりスライドソーなら
間違いなくと言った話で、墨線引いても材を両手で支持
するだけで目見当で切るような事は極例外的だと思います。
まあ生まれた時から家が木工所でしたから、手丸鋸
よりも木工機械になじみがあったし、なにより鋸は其処
から動かない訳ですから、其処に手を持って行かなければ
怪我のしようも無いわけですからね。

そう云う意味では、ポータブルのテーブルソーでは
作業に限界がありますから、このような冶具で手丸鋸も
機動的に使っていく方が安全だとも思いますね。
結局適材(機)適所全てを一つで賄おうとする所に
危険が潜んでいるのでしょうね。

投稿: さえ。。 | 2007.05.24 09:54

さえ。。さん

そうですね。

アマチュアは財源も限られますから、どうしても限られたかつ小さめの機械で狭いスペースで無理をしようとすると思います。(費用対効果を考えずに投資できるのもアマチュアではありますがそれは一部の例と言うことで。)

実は日本でEZを一式揃えようと思うと、オプションにもよりますが卓上のテーブルソーは買えてしまう値段になります。しかし、安全に作業できる守備範囲と多様性いう観点では、EZの方が上と感じます。

またEZを触ってみると、「やはりこの辺はFESTOOLとは違うんだろうなあ」と思うところが多く(触ったことはない)、うらやましく思うこともあります。が、こと日本に住んでいる限り、FESTOOLはあまりにも高価すぎ、手が出ませんです。

投稿: かんりにん | 2007.05.25 03:26

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