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2006.04.14

手際よさと精度、その他に関する雑感(3)

行き当たりばったりの雑文、一体どこへ行くのか(笑)。

「墨外」という言い方を聞くことがあります。

これは、後で微修正で墨線ジャストまで追い込んでいくことを前提に、墨より少しだけ外側を切る時などに使います。

この時に、どれくらい外にするかというのは、いわば、予想される誤差を収められる範囲で、できるだけ小さくします。
話を簡単にすると、ノコギリで例えば墨線ジャストを狙って切ったら±1mmの誤差が出る人は、プラス1mm外側を切れば良いはずですし、±5mm曲がっちゃう人はプラス5mm以上は外側を切らないと、寸足らずになってしまいます。(面倒なので切り代(アサリ)は省いています。)

木工がやっかいなのは、切るか削るかの「マイナス方向」で形を作りだしていくしかなく、粘土のように付け加えたりする「プラス方向」の修正はできないところです。削りすぎたら、その材料は端材として捨てるか、さもなくば作品全体を小さくするしかないわけです。

ここまでの文章で、粗加工→微細加工→微修正→完成、という段階の中で、粗加工の時にいかに最終形に近いところまで追い込めるかというのが、手際よさの一つである、ということを言ってきているわけですが、それ自体、粗加工の時に、どれだけ自分が誤差を出すか、自分の腕前の中で保証できる精度は如何ほどか、それをいかに小さくしていくか、ということになるわけですね。

良く言われることですが、ノコギリで真っ直ぐ切れるようになることが、やはり第一歩であるわけです。

ノコで挽いた線が、墨に近ければ近いほど、その後出てくる鉋屑は少ないはずですし、もっと言えば、カンナ掛け自体も、薄い鉋屑を沢山作るのは無駄なハナシで、最初はがりがりと荒く削って、だんだん削り代を薄くしていって仕上げる方が早いし、刃の研ぐ回数も少なくて済むはずです。

しかし、その時に行き過ぎがあってはダメなので、
自分がこのノコで切るとどれだけ誤差が出るのか、そのノコの挽き痕を消すのはどれだけの削り代が必要か、
また、自分がこのカンナでこれだけ刃を出すとどれだけ削れるのか、自分がカンナで平面を出すのに、どれだけの余裕しろが必要か、自分が、この材料に対して逆目で大穴を開ける確率と、その深さはどのくらいか(笑)、・・・・
みたいなところが全部、まずは自分で分かっていることが必要となるのだと思いますし、それを少なくしていく努力が必要なのだと思います。

本当かどうか知りませんが、職人さんは、ホゾの雄の方はノコで一発だそうです。
この場合、さっき無視してしまった「挽き代」を含めて、出来上がり寸法の誤差が限りなくゼロに近いわけです。 
目指せ職人。

つづきます。(が、飽きたので次は多分寄り道・・・。)

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