手際よさと精度、その他に関する雑感(8)
皆さんは、木工の中で一番楽しい工程はどこだと思われますか?
品の悪い言い方で言い換えれば、「何が楽しくて木工をやっていますか?」
私は先日書いたとおり、組み手加工とか、ねちねちと削って合わせ込んでいく工程が割と好きですね。
後はありきたりですが、仮組みとかで自分の考えていたものがだんだんと実際に立体として見えてくると、楽しくなって時間を忘れてしまいます。
木工教室でご一緒したご婦人は、カンナがけが好きだと仰っていました。その方とは何度かお会いしましたが、カンナ屑が少なかった日は「今日は今ひとつだった」と、逆に多い日は「今日は頑張った」と笑顔で帰途につかれるのが印象的でした。珍しいタイプのような気がしましたが、女性の受講者の中には「気持ちは分かる」と同感される方も少なからずいらして、意外に思った記憶があります。
オイルフィニッシュを知った時は、オイルを塗るとその瞬間に色が深くなるのもいとおかしでしたが、最近自分としては、なるべく濡れ色にならない仕上げの方に好みが傾いているので、現在は割と淡々と塗ってしまっています。もっと高級なというか、オイルが合う木を使うと、もっと感激できるように思うのですが。
逆に、いやな作業。
サンディングはあまり好きではありません。粉まみれになるし、板物をやっていると延々と続くような気がします。あと、ルーター作業はうるさいので嫌いです。夜できないので(当たり前)、夜行性木工家としては、週末の昼間にできるように作業工程を調整しなければいけないし、昼間やるにしてもうるさいためにじっくり集中してできないように思います。自動カンナも同じ理由であまり好きではありません。
コメントでも書きましたが、木取りが最高に面白い、無垢材で木工する醍醐味である、とおっしゃる人もいるようです。私自身はそのあたり我流なため自信がないので、いっちょ前に腕組みしたりしますが、結局積んである上から順番に切ってしまうことの方が多く、嫌いというか苦手意識はあります。
くどくどと今日まで、「手際よさ」がどうのこうのと書き連ねてきました。が、だんだん堂々巡りになってきたように思いますのでこの辺りにしようと思います。正直、「カンナ屑を出すのが楽しい。」と言われてしまうと、もう立つ瀬もなくなってしまうわけですね。結局のところ、趣味のひとには「趣味」ですから、自分が楽しい!と思えるのが一番だなと思います。
注文主の家族達には、これからも人間国宝並みの時間をかけた「作品」を待って頂くことに致しましょう。
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