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2006年4月に作成された記事

2006.04.27

予告 勝手にツールレビュー・リターンズ

さてと。
このウェブログをスタートして早2年と少し。

当ウェブログの連載記事として、「ツールレビュー」と称して、エラそうにオススメ工具を勝手に紹介してきました。
機種入れ替えの激しくない分野とは言え、スタート当時の記事を見ると情報の古さは否めません。

昔を懐かしむ?には面白いと思いますが、検索サイトから直で最新の情報を求めて来られている人もいる以上、ノスタルジーだけでは、本サイトの存在価値は薄くなろうと思います。

と言うわけで、これから当面、少しずつですが、「勝手にツールレビュー」を再開、と言うか、「2006年度版」として、更新していきたいと考えています。2年前と比べて現行機種が全然入れ替わっていない部分もあったりしますが、それはそれ。

皆さんからのツッコミ・追加情報は大歓迎でやっていきたく、よろしくお願いします。

過去の記事についての取り扱いは考え中ですが、削除はしないつもり。

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2006.04.23

手際よさと精度、その他に関する雑感(8)

皆さんは、木工の中で一番楽しい工程はどこだと思われますか?
品の悪い言い方で言い換えれば、「何が楽しくて木工をやっていますか?」

私は先日書いたとおり、組み手加工とか、ねちねちと削って合わせ込んでいく工程が割と好きですね。
後はありきたりですが、仮組みとかで自分の考えていたものがだんだんと実際に立体として見えてくると、楽しくなって時間を忘れてしまいます。

木工教室でご一緒したご婦人は、カンナがけが好きだと仰っていました。その方とは何度かお会いしましたが、カンナ屑が少なかった日は「今日は今ひとつだった」と、逆に多い日は「今日は頑張った」と笑顔で帰途につかれるのが印象的でした。珍しいタイプのような気がしましたが、女性の受講者の中には「気持ちは分かる」と同感される方も少なからずいらして、意外に思った記憶があります。

オイルフィニッシュを知った時は、オイルを塗るとその瞬間に色が深くなるのもいとおかしでしたが、最近自分としては、なるべく濡れ色にならない仕上げの方に好みが傾いているので、現在は割と淡々と塗ってしまっています。もっと高級なというか、オイルが合う木を使うと、もっと感激できるように思うのですが。

逆に、いやな作業。
サンディングはあまり好きではありません。粉まみれになるし、板物をやっていると延々と続くような気がします。あと、ルーター作業はうるさいので嫌いです。夜できないので(当たり前)、夜行性木工家としては、週末の昼間にできるように作業工程を調整しなければいけないし、昼間やるにしてもうるさいためにじっくり集中してできないように思います。自動カンナも同じ理由であまり好きではありません。

コメントでも書きましたが、木取りが最高に面白い、無垢材で木工する醍醐味である、とおっしゃる人もいるようです。私自身はそのあたり我流なため自信がないので、いっちょ前に腕組みしたりしますが、結局積んである上から順番に切ってしまうことの方が多く、嫌いというか苦手意識はあります。


くどくどと今日まで、「手際よさ」がどうのこうのと書き連ねてきました。が、だんだん堂々巡りになってきたように思いますのでこの辺りにしようと思います。正直、「カンナ屑を出すのが楽しい。」と言われてしまうと、もう立つ瀬もなくなってしまうわけですね。結局のところ、趣味のひとには「趣味」ですから、自分が楽しい!と思えるのが一番だなと思います。

注文主の家族達には、これからも人間国宝並みの時間をかけた「作品」を待って頂くことに致しましょう。

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手際よさと精度、その他に関する雑感(7)

この迷走どこまで行くのか。
確か、当初は「時間をかけたい作品は時間をかけても良いが、さくさくっと作りたいモノはさくさくと作れるようになりたい」というハナシでしたね。

先日、「まずは製材が大変である。よってまずその辺りをメインに機械を導入すると良い。」と書きました。
それから、「粗切りの段階でどれだけ最終寸法に迫れるかが大切。」みたいなことをくどくどと述べたように思います。

異論はあるでしょうが、前から言っているように私の考える「木工三種の神器」は、
 (1)自動カンナ
 (2)手押しカンナ
 (3)バンドソー
です。
この3つの機械があれば上記の2項目、即ち「製材」、「ある程度の精度の粗切り」が、ほぼリーズナブルな時間スケールで可能となると考えます。バンドソーは、確かに精度面ではテーブルソーが上ですが、上記目的での汎用性を考えると、バンドソーの方が使いでがあると思います。(テーブルソーにはテーブルソーの多用性はありますが。)手作業を中心とした趣味の木工であれば、先にテーブルソーではなくてバンドソーを勧める所以です。

今現在、機械の取り揃え的には、ほぼ私はこの辺りの段階にいると思います。
で、上記の3種の神器が揃ったら、次は何に時間がかかるのか?

まず、バンドソーだとやはり切りっぱなしという訳にはいきませんので、寸法合わせのための木口・木端の削りが必至です。個人的には木口削り(カンナ)が大変だな、と思います。が、上記三種の神器があれば、力作業は多分それくらいじゃないかと思います。

細かい組み手加工などは、もちろん時間はかかります。が、その辺は正直個人的に結構好きなので、時間がかかっても手でネチネチやりたいと思うんですよね。但し「溝掘り」「ホゾ穴掘り」等、「凹を作る工程」というのは、特に溝なんかはかなりの習熟が必要であり、今時は手作業でやれと言うヒトは少ないでしょうから、ルータなどの機械を使うのが普通でしょう。

で、サクサクできるようになりたいと思う反面、正直、機械に対する物欲みたいなものは、一時期に比べて大半充足したというかかなり落ち着いたように思っています。木口削ってる時は辛いので、無性にテーブルソーが欲しくなったりしますがせめてその程度で、それ以上の機械の導入は、今度は「機械に頼った木工」サイドに傾いてきてしまい、個人的には目指す方向ではないし、面白くもなくなってくるように思うのです。

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2006.04.21

手際よさと精度、その他に関する雑感(6)

引き続き迷走中。

先日「フィードバック」という言葉を書きましたが、モノづくりにはこれが結構大事だなと思うところがあります。

今ワタシは技術系のサラリーマンをしており、実験もやりますが、新入りに実験を教えると、持って生まれた素質なのか、後天的なものなのか、動作に「フィードバック」がうまく働く人と、そうでない人というのが明らかにいます。うまく働く人の方が失敗が少なく、覚えが早いように思います。子供を2人持ち、それはどうやら先天的なものではないかと思っています。

ここで言う「フィードバック」とは、うまく説明しませんが、「ある状態(目標状態)があって、その状態と現在の状態の差異を検知し、その差を埋める(足りなければ足す、行き過ぎならば戻る)動作を繰り返して、目標状態に近づけていく」行為を指します。

こ難しいことを言いますが、簡単には「削り足りないからもう少し削ろう」とか、「これだと少し曲がっているから、ここことここを削ろう」とか、もっと長期間には「この前こんな事をして削りすぎたので、今回は慎重に削ろう」とか、そういうことです。

自動制御は学校では落第点でしたが、「フィードバック」には私の理解するところ、3つの要素があり、
(1)まず理想と現実の差異を<認知、定量化>すること、
(2)それを<演算>し、
(3)自分の動作にその差異分を埋めるように<指令>を出す。
という手順になります。(用語はイイカゲンですのでご勘弁)

で、精密木工では、この(1)項、「検知すること」が非常に大事と思います。相手が十分の一ミリ単位以下になりますので、なかなか目では見えません。補助具を使ったり、目以外の器官も含めていろいろな手法で検知しなければいけないと思います。

木工の象徴的な工具として「カンナ」があります。
私の印象として「カンナ」というのは「フィードバック」の固まりのような気がします。先日コメント頂いたプロの木工家の栗原さんは、ご自身のホームページで、「カンナをうまくかけられる人は、木工に向いている。」と仰っています(このあたり)。栗原さんは「鉋を自分のものにしていくためには、疑問~調査~実践のサイクルと延々とまわし続けなければ」ならない、と述べられています。 やる気、根気、根性の他に、もっと理論的な「観察眼」が必要ではないかと思う所以です。

職人が、弟子のカンナがよく研げているか見る時にどうするかというと、サワラだったか杉だったか軟らかいけど毛羽立ちやすい材にカンナをかけさせ、表面がツルツルになるか、あと、出てくるカンナ屑が(粉々ではなく)連続してきれいに出てくるかどうか、を見るのだそうです。

確かに、研いだ刃をいくら肉眼で見ても分かりませんし(指で触ればだいたいは分かりますが)、職人が、顕微鏡で刃の先端を現場で観察している、というのも想像したくない光景です。彼らは自分のそれまで仕事をしてきた中で、刃の研ぎ具合や台の調子について、実はその大半をカンナ屑で判断しており、かつ、それと同じものを弟子に要求しているのではないか、と思うのです。

研ぎもただやみくもにやっててもダメなんだろうなあ(>ワタシ)。砥石に刃がきちんと当たっている時は、硬い鋼部分と、軟らかい地金から、2つの音が同時にするという人もいるようです。ホンマかいな、とも思いますが、でも、そう仰る人は、音か振動かいずれにせよ<何か>を感知しているのに違いないのです。

で<認知>した結果を、えいやと思い切って「フィードバック」できれば、手際も良くなるわけですが、木工は、「フィードバック」で言う「オーバーシュート」つまり行き過ぎが許されないのは前稿で書いたとおり。その辺が難しい。

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2006.04.18

手際よさと精度、その他に関する雑感(5)

ワタシは、小さい頃からモノを作るのが好きでしたが、学生時代、金属の機械加工を教えてくれた技官がいらっしゃいまして、今木工をやりながら、「精密な加工」については、この方の考え方に影響を受けていることが多いなあと思うことがしばしばあります。

TIPS的な側面も多分にありますが、心に残っている教えをご紹介します。

1.寸法の追い込み方
ものを削っていく時は、目盛りを信用していては、精度は上がらない。
(1)最初のモノの寸法を測る。
(2)目標寸法プラスアルファまで削る。
   この際、「何mmに削っているつもり」か、目盛りできっちり設定してから削る。
(3)機械を止めて、また寸法を測る。
(4)(2)項の「自分が削ったつもり」の寸法と、(3)項で得られた寸法を比較し、目盛りの持つ誤差を把握し、修正する。
(5)最終目標寸法に設定し、仕上げ削りする。

「ちょっと削る」、「測る」、「またちょっと削る」、「測る」だけでは時間ばっかりかかって、ダメなのです。
自分のアクションに対するフィードバックが大事。

2.目盛りの送り方
機械の送り目盛りには必ず「ガタ」がある。これは、どんな上等な機械でも、ある程度以上は防ぐことはできない。
工作機械の目盛りを回す時は、自分の中で向き(方向)を決めて目盛りを設定することで、このガタによる影響を最小限にすることができる。間違って行きすぎたら、大きく戻して、また同じ方向からセットする。力の掛かる方向にすると、力を受けた際のずれが少ない。(旋盤なら、刃物の押し込み方向、手押しや自動カンナなら、切り込み深さ 大の方向。)

これは機械加工の基本ですね。次も基本です。

3.チャック回数
チャックは、持ち変えるほど精度が出なくなる。
旋盤なら一度で加工できる手順を考えた方が、中心がずれない。フライスなどでは、最低限、2面の直角を出すまでは、チャックは外さない。

まだまだあったはずなのですが、忘れてしまいました(笑)。
体系立って学んだことはないと仰っていたので、一部我流のところもあるかも知れません。

今考えると彼は非常に「段取り」を大事にする人でした。もの凄く腕の立つ人だったのですが、しっかり5時きっかりには帰っていたので、それも彼なりの段取りだったんでしょう。この間、定年を迎えられました。

まさか読んでないと思いますが、顕微鏡の下で旋盤を回して、3mmφの「糸巻き」を作ったりしたのが懐かしいですね!

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2006.04.16

手際よさと精度、その他に関する雑感(4)

現在、「手づくり」を標榜する木工家の方でも、機械を全く使わずに手仕事だけで家具を作ってかつ商売として成り立っているという方は、ほとんどいらっしゃらないと思います。基本的なスタンスとしては、機械が使える、使って差し支えないところはなるべく機械を使い、手仕事が必要なところ(あるいは自身のこだわりの中で)と思うところは手でやる、ということになると思います。

手際よさだけを追求するならば、なるべくなら、ホントにぎりぎりまで機械で追い込んで、手仕事は最後の一削りだけ、くらいまでにする方が、効率は恐らく良いはずです。その意味では、主に無垢材での木工で効率化を考えた時、最初に機械化を考えた方が良いのはまず間違いなく「製材」であろうと思います。

ここで少し話は変わりまして。

製造業の現場で「作業分析」というのがあります。これはこれで奥が深いらしいのですが、とりあえず、作業を第三者が観察したり、ビデオに撮ったりして、作業やその間の準備や後始末(「段取り」)の一つ一つにかかる時間をストップウォッチで計測し、どこに時間がかかっているか、どこかに流れの無駄がないか、を探すというのが基本になっています。

以前、ワタシは簡単な四角いスツールを頼まれて4脚、大量生産したことがあります。
その際に思いついて、作業を日記風にメモしていき、最後にこの日記から必要時間を集計してみたのです。

粗取り~製材  40%
ホゾ加工     35%
組立て・仕上げ 25%

いつもの「夜中木工」(1日当たり作業時間2~3時間程度)でやったのですが、恥ずかしくてあまり言いたくないのですが、合計で40時間強もかかりました。最後は納期が押してしまって詰めて作業して、この時ばかりは寝不足でヘロヘロになりました。

後日、プロの木工家の方に、こんなスツール4つ、どのくらいの時間で作りますか、と聞いてみたら、「ん~、2日くらいかな。」とさらりと仰るのです・・・・。このヒトはいったい一日何時間を基本労働時間にしているのだろうと、怖くて聞けずにいたら、さらに「ボンドと塗料の乾く時間はしょうがないのでね。」なんてさらりと追い打ちをかけるわけです。乾燥時間も「込み」ですか・・・。

私が寝不足でこれを作ったときの「機械」は、バンドソーだけだったと思います。
だから製材が全部手作業で、脚物とは言え、ホント辛かった。自動カンナを入手するまでは、板物なんてやる気もしなかったし。ホゾ加工も、角ノミなんてないし、ルーターも夜中は使えませんでしたから、ボール盤とノミでしこしこやっていたのです。かつ夜中は騒音の関係で、ノミを玄翁で叩くこともできませんので、ノミは全て手で押していました。

「作業分析」では、最も時間のかかっている工程に注目し先に着手していくのがカイゼンの王道です。かくして、木工においては、「製材」の工程をいかに早く楽にするかというのが、最優先となるのではないか、と考える次第です。

今は自動と手押しが曲がりなりにも両方あるし、Multicoくんが入ったおかげで、四角い脚物ならかなり早いんじゃないかな。夜中は無理ですが休日1日くらいで、製材までは目処がつきそうに思います。

最近、職業訓練校や技専の話題を良くウェブログで耳にしますが、試験って時間制限があるんですね。私自身は割と作業はじっくりとしたい方なので、それを聞いてちょっと意外に思いましたが(入る予定はありませんが)、職業としての木工職人の養成としてならば、さもありなんという気もします。機械無しで花台1脚5時間とは、・・・機械ありでも辛いなあ。

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Incredible Machines

ピタゴラスイッチ クオリティ高すぎ。

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2006.04.15

ミニチュア木工房

皆さんの持っている、もしくは持っていない方は「狙っている」自動カンナは、幅何インチですか。

PROXXON(プロクソン) 電動カンナ No.24900 プロクソンの自動カンナ。 この自動カンナは、なんと最大切削幅はたったの80mmです。但し、サイズは(上から見て)23cm四方、重さ8kgと、普通の自動カンナから見るとミニチュアのような可愛らしさです。なんか、意味もなく欲しくなってしまいます。

13インチの自動カンナを買った際には、「オレも一線を越えたな」と思いましたが(笑)、(当時は既にバンドソーがあったわけですが・・・)、こんなかわいい自動カンナなら、自室の片隅に置いて気の向いた時間に悠々と木工なんて言うのも、肩ひじが張っていなくて「大人の趣味」という感じでなかなか良いかも知れません。

まだあります。

プロクソン スーパーサーキュラソウテーブル No.2807030cm四方のテーブルソー。(テーブルは500mmまで伸縮するそうです。)

PROXXON(プロクソン) テーブルルーター No.27050 30cm×15cmのルーターテーブル。これは小物なんかに結構使えそう。

プロクソンは、従来より、ハンドルーターや卓上糸ノコなど、ユニークな製品が知られていましたが、悪い意味で「ホビー向け」のイメージが常にありました。しかしここまで来ると、その「ホビー」という意味を真剣にもう一歩進めて考えたらこうなった。どうだ!という、ここまで来ると信念のようなものまで感じてしまいます。

まだまだありますが、このあたりからはご存じの方も多いと思います。

プロクソン ミニバンドソウ(木工・金工用) No.28170 ミニバンドソー。フトコロが狭いのは辛いかな。なんて考えるのはもはや「野暮」。

PROXXON(プロクソン)スーパー・コッピングソウテーブル No.28082上述のミニ糸ノコ。刃のストローク量でいくつかグレードがありますので要注意。

その他、卓上ボール盤、ミニ旋盤、などなど。木工界のちっちゃいものクラブです。

ワタシ自身白状すると実は、案外「かわいいもの好き」のところがありまして、こんなのを全部揃えて整然と並べてみたい。「ミニチュア工房」のできあがりです。

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2006.04.14

手際よさと精度、その他に関する雑感(3)

行き当たりばったりの雑文、一体どこへ行くのか(笑)。

「墨外」という言い方を聞くことがあります。

これは、後で微修正で墨線ジャストまで追い込んでいくことを前提に、墨より少しだけ外側を切る時などに使います。

この時に、どれくらい外にするかというのは、いわば、予想される誤差を収められる範囲で、できるだけ小さくします。
話を簡単にすると、ノコギリで例えば墨線ジャストを狙って切ったら±1mmの誤差が出る人は、プラス1mm外側を切れば良いはずですし、±5mm曲がっちゃう人はプラス5mm以上は外側を切らないと、寸足らずになってしまいます。(面倒なので切り代(アサリ)は省いています。)

木工がやっかいなのは、切るか削るかの「マイナス方向」で形を作りだしていくしかなく、粘土のように付け加えたりする「プラス方向」の修正はできないところです。削りすぎたら、その材料は端材として捨てるか、さもなくば作品全体を小さくするしかないわけです。

ここまでの文章で、粗加工→微細加工→微修正→完成、という段階の中で、粗加工の時にいかに最終形に近いところまで追い込めるかというのが、手際よさの一つである、ということを言ってきているわけですが、それ自体、粗加工の時に、どれだけ自分が誤差を出すか、自分の腕前の中で保証できる精度は如何ほどか、それをいかに小さくしていくか、ということになるわけですね。

良く言われることですが、ノコギリで真っ直ぐ切れるようになることが、やはり第一歩であるわけです。

ノコで挽いた線が、墨に近ければ近いほど、その後出てくる鉋屑は少ないはずですし、もっと言えば、カンナ掛け自体も、薄い鉋屑を沢山作るのは無駄なハナシで、最初はがりがりと荒く削って、だんだん削り代を薄くしていって仕上げる方が早いし、刃の研ぐ回数も少なくて済むはずです。

しかし、その時に行き過ぎがあってはダメなので、
自分がこのノコで切るとどれだけ誤差が出るのか、そのノコの挽き痕を消すのはどれだけの削り代が必要か、
また、自分がこのカンナでこれだけ刃を出すとどれだけ削れるのか、自分がカンナで平面を出すのに、どれだけの余裕しろが必要か、自分が、この材料に対して逆目で大穴を開ける確率と、その深さはどのくらいか(笑)、・・・・
みたいなところが全部、まずは自分で分かっていることが必要となるのだと思いますし、それを少なくしていく努力が必要なのだと思います。

本当かどうか知りませんが、職人さんは、ホゾの雄の方はノコで一発だそうです。
この場合、さっき無視してしまった「挽き代」を含めて、出来上がり寸法の誤差が限りなくゼロに近いわけです。 
目指せ職人。

つづきます。(が、飽きたので次は多分寄り道・・・。)

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2006.04.12

手際よさと精度、その他に関する雑感(2)

木工で、けっこう初期段階で習う「概念」として、「基準面」という考え方があります。

木工では、最初の材料は、不定形の(あるいは「おおよそ四角」な)、木の固まりです。
いきなり、まずはこれを板なり角材なり、完全な直方体にして下さい、と言われると、知らない人は面食らうわけです。しかしながら、ご存じの通り、木工では「基準面」という考えで、ほとんど頭を使わず、粛々と四角くしてしまいます。

(1)どこでも良いから、とりあえず完全な平面を作る。=第一基準面
(2)第一基準面のどこか隣の面を、第一基準面と直角になるようにしつつ、完全な平面にする。=第二基準面

ワタシ、これを知ったときは、ものすごく感心したんですが、皆さんそんなことないですか?

先日床屋の話を書きましたが、これ自体かなりその床屋に近いと思うのです。
何も知らなくても、何となくちょっとずつ四角く削っていけば、最終的には四角くなると思うのですが、それこそそれは全体のバランスを見ながらちょこちょこと髪を切る床屋さんのイメージとなります。時間もかかるでしょうし、どんどん小さくなっていって(笑)、材料の無駄も大きそうです。

機械が初期段階から揃っていた、金属機械加工の分野では、これほど厳密には考えないと思います。手で加工する、かつ加工するそばから狂ってくる「木」に対する工作であればこそ、誤差は誤差として容認し、誤差をなるべく小さくする、と言うよりは誤差を必要以上に蓄積させない、あるいは実用上問題ない程度まで吸収する手法が、長い時間の中で確立されていったのだと思います。

今日はイマイチ。 つづく。

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2006.04.10

手際よさと精度、その他に関する雑感(1)

また聞きなのですが、「職人とは何か」、と言われて、職人さんの一人が、一瞬考えた後に、「ある一定レベルの品質のものを安定して、一定納期で作るヒト」と答えた、とか言う話をどこかで読んで、そんなもんなんやと心に残っています。曰く、決してゲイジツ的な意匠のモノ、あるいは驚異的な精度のモノを、めちゃくちゃ時間をかけて生み出すヒトではないと。そういうヒトは、また違った名称で呼ばれるのだと。

卑近な例で申し訳ないのですが、ワタシにはごくたまにですが結構スルドイことを言う兄がいまして、大学生くらいの頃かな、散髪から帰ってきて感心したように、
「上手い床屋は早い。」と言うのです。  それは当たり前だろとツッコむと、どう言ったかは忘れましたが、

「下手な床屋は、例えば10cm切らないといけないところを、何回にも分けて、ちょこちょこと切っていき、最後にやっと目標の10cmに到達する。
上手い床屋は、10cmならズバッと9.8くらいまで切ってしまって、その後微調整で全体のバランスを見て、0.2切って、10cmにする。だから早い。」

みたいなことを言うわけです。

「美容院」、「へやーさろん」ではなくて「床屋」であるところがポイントではあるのですが、今でも心に残っているのは、今考えると、当たり前ながら、モノづくりの手際よさのポイントの一つであるような気がします。

精度が入らない粗加工(木工では「粗切り」、「荒削り」)は、確かにズバッとやった方が早いわけです。自分が精度が保証できる程度まで、という但し書きがつきますが。いくら加工スピードを上げたって、何回も同じことをやっているようでは能率は上がりません。   で、その後、最低の加工しろで、細かい加工をする、と。

それは同時に、今ある材料と、同時にその中から切り出される、部材(あるいは大学生の頭)の最終形が明確にイメージあるいは指標化されていないといけないわけです。

続く(かな)。

かの高尚な文体と比べられると冷や汗ものですが、おそれ多くも、「工房通信 悠悠」さんの、上記以上に心に残った、「鉋くずと職人の技量」という記事にトラックバックさせて頂きます。

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2006.04.09

言い訳と・・・

いくぶんステレオタイプだとは思いますが、揶揄的に機械をメインにした木工を「アメリカ流」などと称することが多くあります。当ウェブログでは機械の紹介ばっかりやっているので、ワタシ自身もそういうスタイルの木工をしているように思われているかと思います。

実は、本人の気持ちとしては、正反対のところを行っているつもりなのです。
3畳の物置に一杯の機械を買い込んでいて、既に常人の域は超えているとは思います(笑)が、手で出来るところは手でやりたいし、「作業自体を楽しむ」ほどのゆとりはありませんが、今のところは機械に左右されない、「自分の腕」というヤツを上達させたい、そう思っているのです。

但し、客観的に見れば、あんな整理棚、なんであんなに時間がかかるんだ、という思いもあります。(家族の注文ペースに、製作ペースが全く追いついていない。)あんな大仰な機械がなくても、日曜大工であのくらいすいすいっと作れるわよ、と言われると、返す言葉がないわけです。

かかる時間については以前から気になっており、せめて「時間をかけたい作品は時間をかけても良いが、さくさくっと作りたいモノはさくさくと作れるようになりたい」と思うようになって幾年月。

いろいろ考えているところはあり、この機会に、何回かに分けて少しその辺りの雑感を述べてみたいと思います。

続く(かな)。

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2006.04.05

整理棚

060329zやっと完成しました。腰高窓の下に置く整理棚。ジャーマンビーチ。高さ800mm(キャスター含む)。もう1個作ってくっつけて並べて、上に天板を渡して、フツーの窓を(ニセ)出窓のように見せよう、という算段です。中間の層に金属ダボ受けが埋め込んであり、さらに可動式の棚板を左右2枚設置します(切り出すのを忘れており、現在追っかけで塗装中。)

060329a_1引き出しだけは少し手が込んでおり、組み手は5枚組み。通勤中に考案した方法で、ほぼバンドソーで切りっぱなしでやりました。結果的には、根本はノミでさらっていますし、修正もしていますが、そこそこうまく行きました。
底板も、無垢の共材です。

060329b抽斗の手がかりは両面についており、「両方が表」としています。今回のはかなりユルユルに作っており、この箱ごと引き出していろいろなところに持ち出して使い、片づける時はさっとここに仕舞う、という使い方を想定しています。抽斗と言うよりは「カゴ」のイメージです。

棚自体も両面を表として使えますので、将来は間仕切り的な使い方もできると思います。

060329c手がかりのアップ。木工にハマリ始めた時に何も分からずに買ったウォルナットの割れ部分をちょこっと切り出してきて、やっと使いました。

それにしてももう少し洒落たキャスターってないもんですかね。

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2006.04.04

シルエットクイズ?

060305a
この黒い物体はいったい何でしょう?

060404a
1ヶ月ちょこちょこやって、やっとここまで来ました。Stanleyの洋カンナです。オークションでほぼがらくた扱いで売られていたものを一人で入札して落札した(笑)ものです。激しくさびさびで大変でしたが、さびを落としてみると、写真で想像していた通り、No.4 Smooth Planeでした。幻の?Made in USAなStanleyです!

060404bソールは今は珍しい溝付き。
まだチューニングは完全には終わっていませんが、やっと今日刃を付けてみました。結構切れるようになりそうという印象です。広葉樹の逆目には強そう。刃をアップグレードすればもっと良いと思います。

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2006.04.02

2006 革新的工具ベストテン

先日、引用元を示さずに言及しましたが、"WORKBENCH"誌による今年の「最も革新的な工具」ベストテンはこちら

詳細は本文を見て頂くとして、順不同(多分)で下記10機種が選ばれています。

1.POWERMATIC PM2000 キャビネットソー 収納式内蔵キャスター
  ユーザーが自分で改造する例は結構ありましたが、スマートなキャスターが標準装備。付け外しワンタッチの割刃も評価されています。

2.CRAFTSMAN ハンディー粉体塗装機
  これは面白そう。家庭で粉体塗装ができるのは初めてではないでしょうか。ただワーク(塗装される対象)を加熱しないといけないので、その辺りが若干大がかりになりそう。

3.HITACHI  スライド丸ノコ 新型省スペーススライド機構
  先日紹介したもの。背面側にスペースが要らない、新しいタイプのスライド方式です。紹介されているのはさらにデジタル表示が付いたタイプで、日本ではまだ見かけないと思います。

4.PANASONIC デジタルクラッチ付きインパクトドライバー
  インパクトはコントロールが難しいですが、これは設定したトルクに達すると停止するクラッチ付き。さらに、インパクト強さ調整機能や、打撃一発モードなど、便利そうな機能が満載。単純だと思っていたドライバー一つでも、よくこれだけ思いつくもんだ。

5.FESTOOL ブラシレスモーター装備の充電式ドリル
  このクラスでブラシレスモータは確かに革新的と思いますが、得られる恩恵があまり理解できません・・・。該社にはもう少し革新的な値段を出して欲しい。

6.MAKITA レシプロソーの低振動化
  ミッドナイトウッドワーカーのワタシとしては、低振動化、低騒音化はもっと評価されて良いと思いますし、各社頑張って欲しいと思います。

7.RIKON 2スピード手押しカンナ+マイクロアジャストフェンス
  手押しは、使い始めると製材以外にも結構いろいろな場面でちょこちょこ使える機械だなあと思うのですが、やはり卓上式ではフェンスに不満を実感しているところ。逆に変速付きは、据え置き式の誘導モータでは珍しい。

8.JET 手押しカンナ 替え刃の自動位置決め機構
  手押しの替え刃の位置決めはやればやるほどイライラしてくるので、一発で決まるのであればこれは良さそう。インデックスピンを用いて位置決めしているようで、その辺りと替刃の精度は要チェック。

9.BOSCH ブルーコアバッテリー
  冷却ロッドと温度センサーが付き、充放電時にバッテリーを守り寿命を延ばす賢いバッテリー。電気関係は疎いので詳細はパス。

10.MILWAUKEE 28Vリチウムイオンバッテリー
  従来の18Vバッテリーと同サイズの28Vリチウムイオンバッテリー。個人的にはあまりパワーは必要としていませんが、勝手に自己放電しない、大して使ってもないのに1~2年でへたらない、そういうものを切に希望。

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2006.04.01

勝手にツールレビュー(12) - スライド丸ノコ

本業が忙しくご無沙汰しておりました。
今回は一部の方ご待望のスライド丸ノコのツールレビューです。(ご期待にかないますかどうか?)

高額かつ売れ筋の商品で、機種の入れ替わりが激しいのですが、ついこの前までは「蛍光灯付き」「レーザーマーカー付き」など、どこのメーカーのものもほぼ同じで特徴がありませんでした。それがここに来て最近、面白い機種が投入されつつあり、今回は機種毎ではなくメーカー毎の傾向のようなものをご紹介したいと思います。

(1)マキタ

マキタ スライド丸ノコLS0716F マキタは一見してわかるように、青い胃袋のようなサイクロン集塵機構を搭載し、クリーンな作業をPRしています。スライド丸ノコを使ったことがないのでどの程度の屑がどんな風に出るのか分かりませんが、集塵を自分で改造して後付けしようとすると確かに苦労するような形をしていますので、集塵が気になる方は最初から付いているマキタを考慮に入れても良いかと思います。
スライド機構は、いち早く「2段スライド」を取り入れ、作業時の省スペース化を実現しています。触ってみると2段のパイプがゆるゆると何とも言えない動きをしますが、精度は確かなようです。

(2)日立

日立スライド丸のこ C7RSH 日立の最新機種は、後に出っ張らないスライドです。これは初めてみた時は感心しました。丸ノコの側面に縦に2本、パイプが通っており、パイプは前に出っ張っていて、固定されており、ノコ部分のみが動く構造です。(この辺りの写真がわかりやすい。)ラジアルアームソーに近いカタチといえるかも知れません。
先に述べたように、スライド丸ノコは思ったより大柄で、作業時はパイプが前後に動き予想以上に場所を取る工具です。この機種は本当に機械の投影面積と同程度で設置・作業が出来ますので、スペースで悩んでいる方、特に壁付けで機械を並べている方にはオススメです。

日立 卓上丸のこ C12LDH海外を中心にデジタル表示のタイプが注目されており、"WORKBENCH"誌の今年の「革新的工具ベストテン」に選ばれています。日本では、スライドしない方(卓上丸ノコ)しかまだ発売されていないようです。(上写真)

(3)レクソン
レクソン 卓上スライド丸のこ(チップ付) FSC-10T安さが魅力のレクソンは、あまり特徴はありませんが、何といっても安い。30cm切れる(正確には29cm)スライドが旧型(上写真)で2万円代で買える(市価)というのはそれはそれでスバラシイと思います。ダメ元で買ってみようかと何度思ったことか(スペースの関係で実現できていません。)市場で消滅しつつありますがネット上で2万円を切っているところもありますので、探してみてください。
レクソン 卓上スライド丸のこ(チップ付) SCM-82現行機種は、刃径は小さくなり若干ですがコンパクトになっています。こちらも上記と同じところで3万円ちょいの破格で売られていますので探してみてください

(4)その他
ホームセンターでよく見る廉価版は、知る限り、2万円程度と安いですがスライド幅が20cm弱と限られるものがほとんどです。触った感触はさすがに剛性感やスライドのスムース感が一流メーカー品とは違いましたが、それがどこまで結果に出るものかは「?」。

個人的には、(3)、(4)あたりの使い心地が気になっています。レクソンの現行型は使っている方も多いようですね。

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