あると便利な機械・工具(3) - サンダーその2
先日の続きで、サンダーの各論の1回目。前回は「製作の対象(小物、大物)と、対象面のかたち(平面、凸、凹)の組み合わせで何を使うか整理できる」と書きました。それらを場合別に紹介していきます。
私自身あまりサンダーにこだわりはないので、新たに物欲に陥ってしまう可能性を秘めながら、今日は平面のサンディングについてです。
(a) 平面のサンディング
平面のサンディングは最も基本的で選択肢は多いですが比較的簡単です。まず、大物はおなじみの手持ちサンダーで事が足ります。平面用の手持ちサンダーには、オービタル、ランダムアクション、ベルトの主に3種類があり、後のものほどパワーは強烈になります。
オービタルサンダーは、四角いサンドペーパーが底面で円状に振動して材料を削る機械です。どうしても木目と垂直方向(横摺り方向)にも振動するため、最後に円状の跡が残ることがあります。
ランダムアクションサンダーは、円運動に偏心を組み合わせた複雑な振動をするサンダーで、普通のオービタルよりも研磨力があり、かつ上記の円状のキズが残りづらいと言われています。
ベルトサンダーは広幅のベルトがぐるぐると一方方向に回転する構造になっています。パワーにおいて別格で、他のサンダーと同じ感覚で使うとその凶暴さにびっくりします。仕上げ研磨よりむしろ成形用と考えた方がよいと思います。欧米では矧いだ天板の目違いを払ったり、さらには大きな反った1枚板を一からベルトサンダーで平面出しするような使い方もするようです。構造上、横摺りはありません(しようと思えばできますが)のでキズは残りにくいですが、仕上げにベルトサンダーを使うというのはあまり一般的ではないと思います。
小物についても、手持ちでやっても良いのですがあまり小さいものは扱いづらくなり、材の代わりに指を削ってしまったりします。据え置きベルトサンダー、ディスクサンダーあたりを用います。使い分けはあまり明確ではありませんが、平面をきっちり出す場合や直角を出す場合などは定盤を使ってディスクを使うことが多いようです。但し、ベルトサンダーとディスクサンダーは兼用になっている機械が多く、兼用機を買えば購入時に悩む必要は無いです。
右は卓上型の兼用機の例です。ベルトとディスクが付いており、材料の方を持ち押しつけて研磨します。何種類かサイズがあり、最も小さいものはベルト(幅)1インチ/ディスク(径)5インチくらいのものがあり、細かい形の成形に使えます。ベルト6インチ/ディスク9インチ以上は据え置きが多くなり、動力は誘導モータとなります。成形主体であればこのくらいのパワーが欲しいとは思いますが、それだけの費用と設置面積をかけるのも辛いと思います。ベルト4インチ/ディスク6インチクラスの卓上型で価格がこなれており、1台目としてオススメです。
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