Practical Design Solutions and Strategies
気に入って使っている本を、紹介します。
Practical Design Solutions and Strategies: Key Advice for Sound Construction from Fine Woodworking (Essentials of Woodworking) Fine Woodworking誌の編集です。
最初の章は主にデザインについて。どのようにイメージを具現化するかの方法論が書いてあります。とにかく紙に書いてみましょうとか、模型を作ってみましょうとか。
ああ、この本は題目通り、デザインについて教えてくれる本なのだなあ、と読み進むと、その次のページでは、突然「実験」が始まって面食らいます。ほぞ組とルーズフィットテノンとビスケットとイモ接ぎのうち、どれが一番強いか、実際にぶち壊して実験したりしているのです。
「デザイン」の本ではなくて「設計」の本なのです。
後半は章を改めて、テーブル、椅子、机、箱物類(引出し含む)について、それぞれどのような構造で作るかの各論。欧米風なので、少し違和感のあるところはありますし、これが標準と思うと間違うかもしれない箇所もありますが、理にはかなっており、大きな間違いはなかろうというところがまとめてあります。引き出し付きの机などは完全図解してあり、非常に参考になります。
という具合で、最初は雑多な印象を受けますが、雑誌の連続記事のまとめたものか何かなのでしょう、家具を設計する際に参考になることがいろいろとまとめてあります。副題が、「しっかりした構造のためのカギとなるアドバイス」。デザインの教科書と思って買うと少しがっかりするかもしれませんが、確かに設計している段階で「あそこの構造どうしようかなあ。ああ、あの本に何か書いてあったなあ」などと読み返すことが多く、そういう時にためになる一冊です。
「TIPS集」と言うにはすこしヘビーな内容ですが、小ネタ集くらいの気持ちで読むと、すっと頭に入ります。
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