静かな木工(6) - ボール盤で平面出し?
前回の「静かな木工」シリーズで紹介したヘンな工具、もともとは小物の平面出し(基準面出し)を目的に作られたことは前回記事で述べた通りです。先日、ふと気が向いて、この工具で本来の平面出しにトライしてみました。初回にしてはまあまあの結果でしたので、ここで紹介します。
この方法は、ボール盤を用いているので、比較的静かで夜中作業可能レベルです。が、通常のボール盤作業よりかなり振動が大きいです。関係ないかも知れませんが、作業中、隣の部屋の次男坊が一度夜中に起きて泣きました(関係あるってば)。
(1)材料を粗取りします。
相当反ってます。(写真では歪んでいますが、上の角材が下端定規です。)
凸面を上にして定盤の上に置きます。材料がヒネっていて、四隅を押してがたがたする場合は、ガタガタしない程度まで、下側の面の出っ張りを落としておきます。
(2)ボール盤に延長テーブルを付けて、スキャンするように少しずつ削っていきます。
フェンスを使っても良いですが、フリーハンドでもOKです。切り込み深さは欲張らず1mm以下程度にし、かつスキャンの送りも少しずつにして、材料があまり力を掛けなくてもよいくらいの送りで、根気よく削っていきます。
(3)3回くらい全面をスキャンして、やっと全面が削れました。
写真は、上から斜めに光を当てて木肌を強調しています。フトコロが狭いので、真ん中で左右ひっくり返しているのが削り痕からも分かります。上の方は一部手が滑って食い込みすぎてしまいました。
(4)さあどうでしょう。
すき間は全面にありますが、ほぼ反りが矯正され、ほぼ平面になっていることが分かります。(繰り返しますが、写真では歪んでいますが、上の角材が下端定規です。)ここまで手でやるのは結構大変ですよね。
(5)面はほぼ平らになりましたが、局所的な凸凹はありますので、最後は手カンナで面を出します。
最初は横ズリで、そこそこ平らになったら、通常のかけ方でかけて完成します。
この方法は、ボール盤のテーブルに載るくらいの小~中物の材料で、反って反ってどうしようもない材に対し、「粗削り」として使うのが有効です。
最後は手カンナが必須です。サンディングでは無理でしょう。その意味では電動工具中心のアメリカ流木工の方にはオススメできない方法です。最後の一削りは、きっちり研いだ手カンナで、「木との語らい」を楽しんでください(筋肉痛にならない程度に!)。
なお、手押しカンナを持たない方向けの、基準面を出す方法の一般論については、この記事を参照下さい。
そこそこの結果が得られ、自分的にはまあまあヒットだったのですが、こんなヘンな工具、興味もないですかそうですか。
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