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2004.08.12

手押しカンナを使わない平面出し

平面出し(=ある一面をきっちり平面にすること)について、手押しカンナを使わないでする方法が3つある、とどこかで書いたところ質問がありましたので、いずれもワタシの考えたものではありませんが、少し詳しく紹介します。

そのうち2つは厳密には手カンナを使いますので、「手カンナを使わずに」と書いたのは誤りでした。お詫びの上訂正します。手カンナでの加工は「最小限」にはなっていると思いますので、お許し頂きたいと思います。

(1)ルーターを使う方法
割と有名な方法で図を見れば分かりますでしょうか。横から見たところです。
040812A

まず、ベニヤ板かポリカ板などから細長い長方形切り出し、ルーター(トリマー)ベースにネジ止めして、図のように、ルーターのベースを横長に「延長」します。
それとは別に材料保持用のコの字型のウマ?を作り、その中に材料をしっかり固定します。
(くさびを横にかまして止める方法が紹介されていますが、ネジや金具を組み合わせて保持機構をきちんと作るのも良いと思います。)

ビットは、普通のストレートビットか、または角に丸みのある「ラウンドディッシュビット」を使います。なるべく大径のビットを使った方が効率的です。

あとは、ルーターで全面をX-Y方向にスキャンするように根気よく削っていきます。図の点線のように、一面を最も高さが低い点まで削ればこの面の平面が出る訳ですが、何回かに分けて少しずつビットを出していくようにしていく方が、良いと思います。

「延長ベース」は材質やサイズにもよりますが、角材やアルミ引き抜き材などでの補強が必要と思います。コの字型のウマのてっぺんの部分の直線性と平行度が精度に対して最も重要です。

この方法は、原理的に材料がどれだけ大きくても可能なので、豪勢にも無垢板の大きな一枚板をそのまま使おうなどというような場合にも応用できます。プロの木工家でも手押しカンナの幅を超えた材料にわりと一般的に使われているようです。

この方法は"The New Router Handbook"という本に詳しく述べられています。この本はルーター教則本の中でもベストセラーらしくいろいろな方が推薦されていますが、ホントにルーターの多様性を教えてくれる本で、オススメです。治具との組み合わせでいろいろなルーターの使い方を紹介しています。ルーターでホゾを切ったり、矧ぎ面を削ったり、ポケットホールを開けたり、「麦の穂」を治具を用いて安全に掘ったりしています。「200%」の次のテキストとして好適と思います。後半は自作ルーターテーブルのハナシもあります。

(2)自動カンナを使う方法 その1

これは昔の手づくり木工辞典で、タマクラフトの芝地さんが紹介していたもの(スミマセン。何号か忘れました。)をちょっとアレンジしたものです。

自動カンナは以前説明したように、下の面を基準面として上の面を削るため、どちらかの面が平面である必要がある訳です。そこで、削る反対側の面に細く帯状(10mmくらい)に切った薄い板を2カ所から3カ所、長手方向に両面テープで貼り付けます。

手カンナで、この2~3本の帯状の板を、直線にかつ互いに平行になるように削ります。板全面をカンナがけするのは大変ですが、帯状なので割と簡単に削ることができます。これらの帯により「仮想平面」が形成されますので、自動カンナはこれを基準にして上面を平面に削ることができるという訳です。

芝地さんの記事では、凹面の凹部分に1枚だけ、薄板を貼ると書かれていますが、反りとねじりが複雑に組み合わさった材料では、1枚だけではどうしてもうまく行かないときがあると思います。

材料を平坦な台の上に置いて、四端を押してガタガタしないことを確認したら、自動カンナに、板を貼り付けてある方を下にして自動カンナに通します。何度か通して全面が削られたらその面は平面になったと言うことですので、今度は、裏返して板を貼ってあった方を上にして自動カンナにかけ、目的の厚みまで削ります。芝地さんによると、板は貼ったまま自動にかけても大丈夫だそうです。

(3)自動カンナを使う方法 その2

上記と原理的には同じですが、こちらの方が「量産的」ではあります。

削りたい板の厚みより少しだけ大きい太さの角材を、材料の長さ×2本分用意します。この角材の一面のみをきっちり平面にします。これも幅が狭いので割と簡単にできるはずですし、ホームセンターで製材済みの角材に程度の良いものであれば、買ってきてそのまま使っても良いでしょう。

なるべくなら隣の面と直角にした方がよいのですが、直角度は「おおよそ」で良いです。

材料を平坦な台の上に置き(安定するように凹の側を下にする方が良い)、途中で動かさないようにして上記の角材を材料の横側2面に貼り付けます。グルーガン(熱で軟化~溶融して冷やすと固化する接着剤;ホームセンターか、どう使うのか知りませんが手芸店でよく売っています。)で貼り付けるのが一番簡単ですが、クギか木ねじで固定しても良いです(後で刃に当たるのがちょっと怖い)。両面テープでは接着力が弱くてダメです。

これも材料を平坦な台の上に置いて、四端を押してガタガタしないことを確認します。もしグラグラしていたら角材部分を手カンナで修正します。OKならば、そのまま裏返さずに自動カンナに通して上面を削っていき、平面が出たら、ひっくり返して目的の厚みまで削っていきます。

角材は、木槌で一発叩けば外れますが、デリケートな材料であれば、のみかマイナスドライバーを入れてこじっても良いと思います。

これはFine Woodworkingという月刊雑誌で紹介されていたTIPSです。

下の図は、「改良芝地式」と「Fine Woodworking式」の比較を、図に描いたものですが、これでお分かり頂けますでしょうか(少し誇張しています)。

  040812B    040812C

他に良い方法をご存じの方は、是非教えてください。

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コメント

ルーターでの平面出し以外の方法は知らなかったのでとても参考になりましたありがとうございました。

現在、少ない小遣いをやりくりして自動と手押しカンナどちらにしようかと検討中でしてこの記事のおかげで自動カンナの方にかなり傾いています ^^)
ちなみに管理人さんはどの方法を利用しているんですか?

投稿: hide | 2004.08.25 15:24

hideさん コメントありがとうございます。
もう自分的にはそろそろ一杯一杯なので、話題提供やネタ振りは大歓迎です。

ワタシですか?実は上の方法はどれもやってみましたが、面倒くさがりなので、結局最近は片面だけ先に手カンナでがりがりっとやってしまうことが多いです。

何となく、それくらいしないと腕が上達しないんじゃないかみたいな、そんな罪悪感が働いていることも事実ではあります。
ホントはいけないとは思うのですが、最後の最後に、基準面側も薄く自動カンナに通せば良いので、そんなに几帳面にやる必要はないです。

自動と手押しどちらが先かは、既に意見を述べましたが、その人の作りたいモノにもよりますので、一概には言えないとは思います。但し、買うとすれば手押しカンナには十分にお金をかけるべきと考えています。

投稿: かんりにん | 2004.08.26 00:27

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