据置き機械の導入(5) - 自動カンナ
自動カンナは、材料を決められた厚みに削る機械です。材料を入れると、材料は自動でゆっくり回転するロールで送られて、中にある幅広の刃で設定した厚みに削られます。
(画像はデルタ本家から)
よく材の「反り」を修正できる機械だと勘違いされますが、基本的には自動カンナで反りは修正できません。自動カンナは、削る面と反対側の面を基準にして厚みを揃えるだけの機械ですので、どちらか一面を平面にしておかないと、厚みが揃うだけで、材料は平らにはならないのです。従って、本来は「手押しカンナ」という機械とセットで用います。
機械自体は手押し・自動どちらも別に面白い芸当ができるわけではない、ツマラナイ機械です。その点では購入がためらわれますが、一日カンナで大汗かいて「今日は2枚板を平らにしたぜ、ぜいぜいはあはあ」とやるのも、最初は楽しいのですが、だんだんウンザリしてきて木工自体がイヤになってきますので、そのうち欲しくなります。
手押しと自動はセットで購入しなければいけないの?と言われれば、望ましくはその方がよいですが、いろいろ考えると、どちらかと言えば、私見ですが先に自動を買うのが良いのではないかと思います。あくまで私見ですが、「一面を平らにする」という作業の方が、「2面を平行にしつつ平らにする」という作業に比べれば、ずっと簡単だからです。また、手カンナおよび手押しカンナを使わずに基準面を出す方法は、割と知られたウラ技で、私が知っている限りで3種類あります。
自動カンナの選定のポイントは、まず切削可能幅です。30cmが欲しいところですが、「ここ1年間で、30cm幅の無垢板を手にしたことがあるか?」と考えると、少なくともワタシは「なし」なので、案外25cmくらいでも十分なのかも知れないと最近思います。(但し、矧いだ後にもう一度カンナ掛けできるという利点はあります。)
それ以外は、どのメーカもカタログ上はほぼ同じに見えますすが、最も重要なのは精度と、スナイプ(ハナ落ち;材料の最初と最後の厚みが薄くなって段になる)という現象ががどこまで抑えられているかです。とりあえず、「ハナ落ち防止機構」と称して、高さ設定後にロックできる機構はとりあえず付いていることが必須です。
カタログでは分からない性能であり、インターネットとかでの風評をよく見てから購入機種を選定するのがよいと思います。あと、さらに高価なものは厚み設定機能とかいろいろな機能が付いていますが、上に述べたとおり単純な機械ですから、それほど欲しいという機能もないと思います。
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コメント
手カンナを使わず、手押しカンナよりリーズナブルに基準面を出す方法が色々考えても3種類も思いつきません。
なにか、ヒントでもいただけませんか?
投稿: hide | 2004.08.11 13:48
コメントありがとうございます。
説明しづらいところがありますので、次の記事で改めて掲載させて頂きます。もったいぶった言い方をしましたがそれほどでもないので、聞いたらがっかりされるかも知れませんが...。
あ、「手カンナ」を「使わずに」、というのは厳密には誤りだったことに今気付きました。先に訂正の上お詫び申し上げておきます。
投稿: かんりにん | 2004.08.11 14:47