« 2004年4月 | トップページ | 2004年6月 »

2004年5月に作成された記事

2004.05.28

紙ヤスリの科学(?)

据え置き機械が云々とか前回言っておきながら、いきなり寄り道をします。

最初に揃える道具(6)で、紙ヤスリについて言及し、私が標準的に使用している番手について、記載しました。

紙ヤスリは粗いのからかけていくのはもちろん基本ですが、じゃあ何番から初めて何番ずつ上げていくのかと言われると、その順番(間隔)は、周りの人に聞いても、結構まちまちなんですね。

私の基本は、 (必要があれば#120)→#180→#240→#320 です。

これは私の全くの経験から得たもので根拠はありません。でも、そこそこ真面目にやっていれば、この順序でそんなに間違いないと思っていました。

さて、たまに拝見させて頂いている、プロの受注家具工房temperさんのブログ「木工こぼれ話」に、

>荒いのからかけていくのですが、目安は大体「倍」の番手に移していくことです。

とあり、感心させられてしまいました。私に比べて、何と理にかなっているのでしょう!
(っていうか、プロと比べちゃダメですよね。)

紙ヤスリの番手は、台紙に貼り付ける砂(砥粒)の大きさを表しており、JIS規格という規格に決められています。一般には「番手」は、砂(砥粒)を分けるときに使う「ふるい」の目の大きさ(1インチあたりの網の目の数)であるという説が流布しています。それと整合するかどうかはよく分かりませんが、何が「根拠」か、と言われれば、この規格が根拠と言うことになります。

この規格の表で、「平均粒子径」で見ると、「倍々ゲーム」の正当性がわかります。
   粒度  平均粒子径
   #240  88~74μm
   #400  44~37
   #800  22~18

「ふるい」の説からも想像できるように、番手が倍になると、平均粒子径が半分になっていきます。

ヤスリがけというのは、大きな凸凹を平らに削りつつ、かつ(番手に応じた)小さな傷をそこら中に付けまくっていく、という工程と理解できます。 ここで簡単に考えて、ある番手の紙ヤスリで削ると、平均粒子径の半分の大きさの凸凹が並んだ面ができる、とイメージします。すると、上記の倍々ゲームは、ある高さの凸凹をその半分の高さの凸凹にならし、さらにその半分の高さに.....という手順であると言うことになります。

しかし、経験的には、完全な「倍々ゲーム」では、ちょっと粗すぎて、かなり注意深く進めていかないと、最終段階で周りがつるつるになった分、逆に傷が浮かび出て泣きを見たりします。私の手順は、「倍々」より少し念がいっています。でも一つ一つの段階で根気よくやるよりも、このくらいが私の性格にあっていたのだと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.27

据置き機械の導入(1) - 序論

手動工具、もしくは簡単な手持ち電動工具だけで、小物から大物までいろんな家具や小物を何でも器用に何でも作られる方は日本中にたくさんおられ、インターネットのホームページを拝見しては感心するばかりです。

しかしながら、家具を、特に無垢材を中心に木工をやっていくと、一般的にはどうしても据え置き式機械が欲しくなってしまいます。

特に、手工具、手持ち電動工具だけでは、「製材」が困難です。
日曜大工で作るモノが、思ったより安くならない問題は、ホームセンターで既に製材されたツルツルの材料を買うことにあります。(それ以前に現在の家具の完成品が恐ろしく安いという事実もありますが...。)
また、それとは正反対ですが、腕が少し上がって上等な木でモノを作りたいと思っても、ホームセンターにある材料は種類が限られており、国内外のいわゆる銘木を使ってモノを作ることができません。材を問わないにせよ、ホームセンターの材料は厚みが決まっており、それだけではどうしても単調な作品になってしまいます。

と言うわけで、本格的に木工をしているとどうしても粗材を買ってきて、自分で好きな厚さにし、四角い板にするという、「製材」の作業が避けて通れなくなります。
(ホームセンターの板が悪い訳じゃないんですよ。私も要所要所で使っています。)

もちろん製材も手工具だけでできないことはないのですが、現代においては、時間と手間がかかりすぎ現実的ではありません。

長~い前振りはこのくらいにして、これから当分、1ランク上の木工のために、どんな据置き型機械を用意したらよいかを、もちろん製材にこだわらず、少しずつ述べてみたいと思います。

最初に断っておきますが、ここから先は、私自身全ての機械を所有しているわけでは勿論ありませんので、ヘンなことを書いてもその部分は「シロウト耳年増のたわごと」くらいに軽く受け流して頂きたいと思います。加えて、ここから先は前以上にプロにはプロの、アマにはアマの工具がある領域ですので、アマチュアの一私見(偏見?)と思ってご覧下さい。

追伸:「製材」と言っても、丸太を買ってきてやることはさらさら考えていませんので、言葉が間違っていたら平にご容赦下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.24

骨太シェーカー椅子完成。

作っていた「シェーカー椅子」が完成しました!
honebuto2

座面は、生成りの25mm幅の綿テープ(実際はポリエステル?です)を鹿の子に編みました。テープは思ったより沢山必要で、25mm幅で25~30mくらい必要です。

座面を受ける横棒は、前後と左右で1インチ(25mm)高さが違うため、この4本にテープを編んでいくと自然に座面が横方向に凹状に良い感じにカーブします。

この横棒、先日述べた通り、強度懸念でプラス1/4インチ太くしたのですが、何せSPF材なので、それでも私が座ると座面を受ける左右の横棒が少したわみます。作った本人がそ~とそ~と座るくらいでは大丈夫とは思いますが、この部分だけでも、もう少し太くした方が良かったかも知れません。

座り心地は、背板が短く直角に立っているため、自然と姿勢が良くなる感じがします(さすが宗教徒の椅子)。
座面のクッション加減は良好です。座編みの椅子はあまりなじみがないかも知れませんが、特にペーパーコードの座り心地は個人的には結構好きで、いつか挑戦したいと思っています。

塗装は、オスモのワンコートオンリーHS (#9235)を初めて使いました。ひまわり油が主成分で、同社のウッドワックスよりも粘性が低く、塗りやすいです。濡れ色具合はウッドワックス同等くらい。発色も上品で気に入りました。

写真は比較的きれいに見えるものを選びましたが、今回は下地調整がいまいちって言うか、あちこちがぼこぼこに掘れています。旋盤はもう少し修行が必要のようです(あ~旋盤欲しい)。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2004.05.20

バンドソーで丸ホゾを切る方法

先日の「骨太シェーカー椅子」で「バンドソーで丸ホゾを切った」と書きましたが、どうやって「バンドソー」で丸ホゾを切るの?と質問がありました。

答えはこの写真
切っては少し回してまた切って、を何回も1周分繰り返します。ホゾの長さはストップブロックで設定します。
結構精度の良い丸ホゾが面白いように作れます。
仮組みして抜く時に「すぽん」と音がします。10本中10本ともです。

バンドソーの活用については、Mark Duginske (著) Band Saw Handbook (1989)
をオススメします。上の丸ホゾ取り治具も、載っています(本物はもっとスマートです。)

バンドソーを使いこなしたいなら、まずはこの本と自信を持って推奨します。何かと持ち歩いて何度も読んでいます。通読するのは大変だが、バンドソーの調整から治具・使いこなしまで1冊でほぼ事足りる内容となっています。
これの挿し絵はほとんどフリーハンドの手書きで、昔の技術書っぽくて、非常に味があって良いです。

(7/24追記) 反響が大きかった(て言うか、分かりづらかった?)ので、写真を追加します(番号をクリック)
※注: 安全のためにブレードは止めて撮影しています。わかりやすくするために安全カバーは上に上げています。

(1)治具全景
(2)カット1回目。ホゾの径は治具を固定したフェンスを動かして調整します。
(3)少しずつ丸棒を回しながら、1周ぐるりと刃を入れていきます。(切っている最中は回しません。)
(4)出来上がり。
1周するだけだと肩がギザギザになったままですが、同じ要領でもう1周し、さらに最後にストップブロックに当たった状態のまま横に1周くるりと回すと写真のように非常にきれいな仕上がりになります。

切断中は細かい木っ端がはじかれて飛んでくることがありますので、保護具を着用して下さい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.16

骨太シェーカー椅子

ずっとシェーカー家具に興味があり、初挑戦の習作として、比較的簡単そうな「2スラット・ラダーバックチェア」を作っています。
honebuto

木の部分はこれで組み上がり。後はテープでの座編み(初挑戦)です。

本来シェーカー家具は、もう少し一本一本の径が細いのですが、今回は予算的に、安いSPF(2×4)材を使ったので強度的に心配で、1/4インチくらいずつ径を太くしました。だから「骨太」。
それでもこの前作った椅子より断然、見た目も実重量も軽いです。

旋盤は、さすがに持っていないので、さる方のところに通って、お借りして作りました。
接合部分は「骨太」すぎて、受ける方の脚の径に対してホゾ穴が大きくなりすぎ逆に不安になったので、バンドソーで丸ホゾ部分だけ切り直しています。ホゾ穴はボール盤で楽勝。

ここまでの材料費はなんと400~500円。(2×4材 1.5~2本。)
どうしてこんな椅子の座面の綿テープに、4000円も払わなければならんのか?

座編みに使える、安い材料をご存じの方は是非教えてください。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2004.05.10

黒田辰秋展レポート

雨降りの中、黒田辰秋展に行ってきました。

今回の展覧会は、おおざっぱに分けると、家具が数点(10%~20%)で、残りは飾り箱や茶器などというイメージです。後者は漆(拭漆、乾漆を含む)や螺鈿細工から成っていました。

・白状するとあまり彼を詳しくは知らず、木工家(特に家具中心)と思っていたのですが、もっといろいろなことを一人で手がけていたようです。実家が塗師だったことから、やはりそのへんが立脚点になっていると感じました。指物もありましたが、どちらかというと刳り物など、「固まり」的な作品が多いと感じました。

・我々はどうしても木工を平面の組み合わせで考えてしまい、立体的な造形として全体をとらえることができないと常々感じるが、この人のそういう能力は、さすがに超越したものを感じる。多分立体を立体として頭の中でイメージして、それを何らかの方法で分解できるんだろうなあ。粘土や丸太から削り出して外見だけの「造形」として作るならともかく、きちんと「使用に耐える小箱」になっている、というのがすごいと。

・ぐるぐる渦巻きの小箱は、どうやって手でここまで精緻に作ったのかと思うくらいきっちりした作風なのに、その横の拭漆の椅子などは、縁の丸みなど、カンナのかけた痕が残って見えるくらいの荒っぽい仕上げになっている。大抵、個人の作風というのは、「律儀に直線かっちり」か「これでもか曲面すべすべ」か「これが手づくりだノミの刃痕ばっちり」かの3タイプのいずれかで、一定していると思っていましたが、使い分けができるヒトもいるのですね(作られた時期が違うのかも知れませんが)。

・あえて共通した作風を見つけるとすれば、よく「力強い」とか「重厚なつくりのなかにキレが」とか評されますがその通りで、精緻ではあるが間違っても「繊細」という感じはしない。加えてワタシ的には「固まり」感が高いと感じました。

・愚妻は螺鈿細工が綺麗だったと申しておりました。私は展示順路最後のキラキラ将棋盤に何故か微笑ましいものを感じました。

しかし、こういうところで机の裏側ばっかり覗いているのは、きっと同類なんだろうなと。

なお、私が「庭の石像があまりにも印象的」と書いたのは間違いで、湖岸道路から見える「印象的な石像」は「レークさがわ」という同美術館とは別の、佐川関連施設に置かれたもののようです。(地域ネタ?)美術館自体は、湖岸道路から少し奥まったところに、人工的な静かさを感じさせながら静かに建っていました。

(スミマセン。あまりまとまった文章になりませんでした。)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.05.03

作業台 - 折り畳み式の研究

本格木工では作業台は必須です。特にカンナを真剣に使う段になって、しっかりした作業台が欲しいと思われる方は多いのではないかと思います。
私として、「最初に揃える道具」という一連の記事の締めくくりに作業台を取り上げたいぐらいでしたが、少し論点を変えて取り上げてみることにしました。

作業台のポイントは、下記の3点と思います。
・頑丈でしっかりしている: 最低、カンナをかけてもぐらぐらしない
  (=ある程度の自重かそれに替わる固定が必要。)
・天板が平らである: 作業台の天板は、各種作業での基準面となる。
・クランプをかけられる: クランプで治具や材料を固定する。

欧米風の立派な作業台は常に垂涎の的(日本でもショーベリのものが有名で、入手は可能)ですが、万一お金があっても置く場所がない(もしくはその反対?)という方も多いと思います。作業台は自作される方も多く、インターネットの個人サイトで皆さんの工夫していらっしゃる様子がよく見られます。これらは検索するといろいろ出て来て楽しめると思いますので、ここでは割愛させて頂きます。

かく言う私は、作業スペースは3畳しかないので(プロフィールの項参照)、邪道とは思いつつずっと折り畳み式を検討してきました。 ここに晴れて検討結果を公表致します。

(1)Ⅰ型:って言うかちゃぶ台そのまんま
最初の頃は恥ずかしながら、折り畳み式の低い足が付いた洋風ちゃぶ台?みたいなのをそのまま使って、座って作業していたのです。これは、足が短い(=重心が低い)おかげで案外結構ヘビーにカンナしても浮いてきたりはしませんでしたし、収納にも困りませんでしたので便利ではありました。しかし、すぐに自分の足と腰が痛くなりました(これが直接原因かは分かりませんが、後に腰痛で度々苦しむ羽目に....)。
さらにある日、机の折り畳みのジョイント部分が「ばきっ」と音を立てて壊れてしまい、この作業台は使えなくなりました。

(2)Ⅱ型:「ウマ」+天板
次に、悩んだ結果「Λ型」の「ウマ」を2つ作り、その上に天板を乗せるタイプを作りました。
workb3
天板は、上記ちゃぶ台をそのまま流用。天板は「ウマ」には固定せず、「ウマ」は丁番で折り畳むことができるようにしました。一見格好良いのですが、単体では軽すぎてカンナをかけると台ごと浮き上がってきて、カンナがけは全く不可能でした(作る前からある程度は想像していましたが)。これを、本のぎっしり詰まった本棚にクランプで固定して使ったりもしました。

(3)Ⅲ型:「壁付けフォールディング」タイプ
次が現行型です。写真の通り「壁付けフォールディングタイプ」とでも言いましょうか。
workb1  workb2
「開」状態 と 「閉状態」

欧米の木工具カタログで似た構造を見て思いつきました。まずフレームとして1×6材で900mm×1800mmの四角い枠を作り、真ん中に2×4材で天板の高さに支柱を横方向に入れました。天板を、ドア用の大きめの丁番で、この支柱に固定してあります。脚も丁番で扉状に折り畳めるようにしました。めんどくさいのでフレーム以外はほとんどコーススレッド(木ねじ)で組んでおり、製作は2~3晩くらいでできたと思います。

この作業机は「足」は一応付けてありますが、もちろん単体ではふらふらで、カンナなどかけようものなら倒れてきます。そこでこれを、壁に長い木ねじで固定します。今のところ2本の65mmコーススレッドで壁にねじ込んでありますが、それだけでも多少のカンナがけではびくともしないのです。
使わないときは「閉」状態で収納しておけますが、その際は、脚の部分を除いて奥行き1×6材1枚分ですので、200mm程度に収まります。
天板は相変わらず洋風ちゃぶ台の流用。さらに脚も上記のΛ型ウマをバラして流用しています。

結果としては、結構満足できるレベルにあると思います。端材利用で、ボール盤置き場やノミやカンナなどを引っかけるところを付け加えて、さらに電動工具用にテーブルタップを取り付けて、すっかり「ミニ工房」気取りです。これは見かけ以上に、手が届くところに一通りのものが揃っているので便利です。

以上 こんな作業机でもある程度のことはできる、というお粗末な例でした。

さて、作業台の高さですが、立ち姿勢を基本として、700~750mmか、800mmくらいという意見が多いと思います。個人の好みのようですが一般的には通常の机よりはやや高めが良いと思います。私も腰痛と近眼のために高めが好みです。上記の作業台は実測で930mmくらいでしたが、私は180cm超の長身なので一般の参考になりません。

Fine Woodworkingという雑誌に書いてあって「はっ」と思ったのですが、曰く、「力がいる作業」「通常の作業」、「精密な作業」で3つの適切な高さがあるのだ、と。(ご賢察の通り、この順に高さは高くなります。)まさにその通りだとは思いました。が、普段、立ち姿勢と座り姿勢の使い分けで、自然にある程度はカバーできているのではないか?と思い至り、さほど厳密に考える必要はないし、3種類の高さの作業台を持つ必要もないと思い直しました。

さて、一応、今回で序章「最初に揃える道具」シリーズは完結し、次回以後はまた新章をスタートしたいと思います。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2004年4月 | トップページ | 2004年6月 »