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2004.05.03

作業台 - 折り畳み式の研究

本格木工では作業台は必須です。特にカンナを真剣に使う段になって、しっかりした作業台が欲しいと思われる方は多いのではないかと思います。
私として、「最初に揃える道具」という一連の記事の締めくくりに作業台を取り上げたいぐらいでしたが、少し論点を変えて取り上げてみることにしました。

作業台のポイントは、下記の3点と思います。
・頑丈でしっかりしている: 最低、カンナをかけてもぐらぐらしない
  (=ある程度の自重かそれに替わる固定が必要。)
・天板が平らである: 作業台の天板は、各種作業での基準面となる。
・クランプをかけられる: クランプで治具や材料を固定する。

欧米風の立派な作業台は常に垂涎の的(日本でもショーベリのものが有名で、入手は可能)ですが、万一お金があっても置く場所がない(もしくはその反対?)という方も多いと思います。作業台は自作される方も多く、インターネットの個人サイトで皆さんの工夫していらっしゃる様子がよく見られます。これらは検索するといろいろ出て来て楽しめると思いますので、ここでは割愛させて頂きます。

かく言う私は、作業スペースは3畳しかないので(プロフィールの項参照)、邪道とは思いつつずっと折り畳み式を検討してきました。 ここに晴れて検討結果を公表致します。

(1)Ⅰ型:って言うかちゃぶ台そのまんま
最初の頃は恥ずかしながら、折り畳み式の低い足が付いた洋風ちゃぶ台?みたいなのをそのまま使って、座って作業していたのです。これは、足が短い(=重心が低い)おかげで案外結構ヘビーにカンナしても浮いてきたりはしませんでしたし、収納にも困りませんでしたので便利ではありました。しかし、すぐに自分の足と腰が痛くなりました(これが直接原因かは分かりませんが、後に腰痛で度々苦しむ羽目に....)。
さらにある日、机の折り畳みのジョイント部分が「ばきっ」と音を立てて壊れてしまい、この作業台は使えなくなりました。

(2)Ⅱ型:「ウマ」+天板
次に、悩んだ結果「Λ型」の「ウマ」を2つ作り、その上に天板を乗せるタイプを作りました。
workb3
天板は、上記ちゃぶ台をそのまま流用。天板は「ウマ」には固定せず、「ウマ」は丁番で折り畳むことができるようにしました。一見格好良いのですが、単体では軽すぎてカンナをかけると台ごと浮き上がってきて、カンナがけは全く不可能でした(作る前からある程度は想像していましたが)。これを、本のぎっしり詰まった本棚にクランプで固定して使ったりもしました。

(3)Ⅲ型:「壁付けフォールディング」タイプ
次が現行型です。写真の通り「壁付けフォールディングタイプ」とでも言いましょうか。
workb1  workb2
「開」状態 と 「閉状態」

欧米の木工具カタログで似た構造を見て思いつきました。まずフレームとして1×6材で900mm×1800mmの四角い枠を作り、真ん中に2×4材で天板の高さに支柱を横方向に入れました。天板を、ドア用の大きめの丁番で、この支柱に固定してあります。脚も丁番で扉状に折り畳めるようにしました。めんどくさいのでフレーム以外はほとんどコーススレッド(木ねじ)で組んでおり、製作は2~3晩くらいでできたと思います。

この作業机は「足」は一応付けてありますが、もちろん単体ではふらふらで、カンナなどかけようものなら倒れてきます。そこでこれを、壁に長い木ねじで固定します。今のところ2本の65mmコーススレッドで壁にねじ込んでありますが、それだけでも多少のカンナがけではびくともしないのです。
使わないときは「閉」状態で収納しておけますが、その際は、脚の部分を除いて奥行き1×6材1枚分ですので、200mm程度に収まります。
天板は相変わらず洋風ちゃぶ台の流用。さらに脚も上記のΛ型ウマをバラして流用しています。

結果としては、結構満足できるレベルにあると思います。端材利用で、ボール盤置き場やノミやカンナなどを引っかけるところを付け加えて、さらに電動工具用にテーブルタップを取り付けて、すっかり「ミニ工房」気取りです。これは見かけ以上に、手が届くところに一通りのものが揃っているので便利です。

以上 こんな作業机でもある程度のことはできる、というお粗末な例でした。

さて、作業台の高さですが、立ち姿勢を基本として、700~750mmか、800mmくらいという意見が多いと思います。個人の好みのようですが一般的には通常の机よりはやや高めが良いと思います。私も腰痛と近眼のために高めが好みです。上記の作業台は実測で930mmくらいでしたが、私は180cm超の長身なので一般の参考になりません。

Fine Woodworkingという雑誌に書いてあって「はっ」と思ったのですが、曰く、「力がいる作業」「通常の作業」、「精密な作業」で3つの適切な高さがあるのだ、と。(ご賢察の通り、この順に高さは高くなります。)まさにその通りだとは思いました。が、普段、立ち姿勢と座り姿勢の使い分けで、自然にある程度はカバーできているのではないか?と思い至り、さほど厳密に考える必要はないし、3種類の高さの作業台を持つ必要もないと思い直しました。

さて、一応、今回で序章「最初に揃える道具」シリーズは完結し、次回以後はまた新章をスタートしたいと思います。

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「工具概説」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
実はうちの作業スペースも3畳ほどなんですよ。
いろいろ研究されててすごいな~って
関心して見ています。
決して”お粗末な例”なんかじゃないですよ!

投稿: とことこ | 2005.06.14 00:21

とことこさん はじめまして。

狭くても、作業台はしっかりしたのが欲しいですね。

この折り畳み式作業台はその後故障もなく現役です。ホームセンターのドア用の丁番で十分みたいですので、よろしければ折り畳み式、試してみて下さい。

自分自身読み返していて、ちゃぶ台でカンナかけてた時代を懐かしく思い出しました。
ぎっくり腰の痛みと共に...。

投稿: かんりにん | 2005.06.14 22:46

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